4458 どんどん敷居が高くなるばかり…

鉄道

JR東日本で計画中の、クルーズトレイン「四季島」は、1両あたり2~3室のスイートルームが設けられた10両編成の豪華寝台列車だ。

これに関連してこんな発表があった。

JR東日本の発表によると、「PROLOGUE 四季島」は『四季島』の運行開始にあわせ、2017年春に設置。出発時のチェックインや手荷物預かりに対応する。上野駅まで利用してきた自動車の駐車場への回送サービス、上野駅までのハイヤーサービス、上野駅構内でのポーターサービスも提供する。

2013年10月運行開始したJR九州の「ななつ星」をきっかけに、こうしたクルーズトレインが注目を集めている。

こうした動きは、鉄道の新しい楽しみ方が広がるという意味で、喜ばしいことだけど、同時にこんな話もあった

現在は寝台特急カシオペアが上野-札幌間を結んでいるが、今後の存廃について「老朽化してきており、一定の時期に判断せざるを得ない。四季島に切り替えていくのが基本になるのではないか」と指摘した。

一定の時期に判断というのは、このまま廃止になってしまう…ということだろう。

カシオペアを見掛けたのは十数年前の赤羽駅 カシオペアを見掛けたのは十数年前の赤羽駅

確かに、鉄道会社としては、繁忙期と閑散期や、需要に差のある上りと下りを走らせなければならない寝台列車より、需要にあわせて運行できるクルーズトレインを走らせた方が、効率的に決まっている。

しかし、気になったのは、この言葉だった。

「四季島に切り替えていくのが基本になるのではないか」

あぁ…これは鉄道会社側の論理だよなぁ…と、ぼんやり思ってしまった。

列車内に泊まれるという意味では、同じ寝台車だけど、けっして、切り替わるものじゃない。

目的地への移動に加えて、乗る楽しみを兼ねたこれまでの“寝台列車”と、乗ること自体を目的とした“クルーズトレイン”とは、コンセプトは、まったく違うように思う。

列車内で宿泊して翌朝目的地に着くという、ただそれだけの楽しみも、もう味わうことはできないし、なにより、高級すぎて、一般庶民には手の届きにくい世界に行ってしまった感もある。

すでに引退したJR西日本の「トワイライトエクスプレス」(大阪─札幌)の、運賃、特急料金、寝台料金の合計は、2万円台から高くても、4万円台。
JR東日本の「カシオペア」(上野─札幌間)でも、3万円台から4万円台。

一方「ななつ星」は、1人当たり、実に48万~75万円(2人1室)というから比べものにならないくらいの金額だ。

四季島は価格は発表されていないが、当然ながらかなりの金額設定になるのは間違いない。

列車内で宿泊しすること自体、敷居はどんどん高くなるばかり…

あまりに高すぎて手の届かないと、寝台車は、ごくごく一部の人のための乗物になってしまう。

せめて手の届く憧れに…

Posted by ろん