伊能忠敬の地図をよむ/渡辺 一郎 鈴木 純子

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図説 伊能忠敬の地図をよむ (ふくろうの本)
渡辺 一郎 鈴木 純子
河出書房新社 2010-12-16

by G-Tools , 2015/06/01

伊能忠敬といえば、日本で初めて本格的な実測地図を作った人として、有名?だが、詳しいことは、本書を読み始めて初めて知った。

実際に地図を作り始めたのは、隠居後であったことは、以前から知っていたが、もともと、天文・暦学を学んでいた伊能忠敬は、実は、最初から日本全国の地図を作ろうとしていたわけではなかった…というのは、初めて知った。

天文・暦学の観点から、当時、球体であることはわかっていたものの、わかっていなかった地球の大きさを測ろうとしたことがきっかけのようだ。

そのため、まず自宅付近の身近なところ…2.5km程度を計測したそうだが、師匠から「それでは距離が短く誤差が大きくなり過ぎるから、もっと長い距離で試してみよう」と指摘を受ける。

それが、伊能忠敬最初の測量、蝦夷地測量につながった…というのだ。

この測量は、歩測だったそうだ。奥州街道を1日40km、黙々と歩数を数え21日間で歩いていたという。

できあがった最初の地図は、細く長く続く一本の道と、北海道の南東部部分だけしかなかった。

それでも、実測に基づく地図の精巧さは、師匠や幕府関係者を驚かせ、その後の地図制作へと繋がっていったそうだ。

ちなみに、最初の自宅付近で行った測量に基づく誤差は、実に約11,8%にも達していた。

2度目以降の測量では、歩測を止め、間縄(けんなわ)や鉄鎖(てっさ)を用いて、より厳密な調査を行った結果、測量誤差はわずか0.2%となったというから驚きだ。

伊能忠敬は、膨大な数の地図を残したが、震災や戦争などで多くが失われてしまう。

本書の後半は、海外で奇跡的に保存されていた地図を元に復元される話題が中心となる。

本書は、彼の生い立ちや測量の方法、測量時のエピソードには若干触れているものの、主には、タイトル通り、地図そのものを紹介した内容となっている。

もちろんそれはそれで興味深いが、伊能忠敬の人となりとか、測量のエピソードなど、地図作成にまつわるをもっと知りたくなった。

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