4403 エコキャップ運動をあらためて考える
「世界の子供たちにワクチンを」と、エコキャップ運動を展開しているNPO法人が、2013年9月以降、売却益を、ワクチン購入をせずに、他の用途に流用していたことが発覚した。
記者会見やウェブサイト(Web魚拓によるキャッシュ)でも、理由の説明をしているが、いまいちはっきりしない。
これには何か裏がありそうに思えてならない。
広く呼びかけて集めた寄付が、呼びかけたときの内容と異なる使い方をしているのは、「詐欺」といわれても言い訳できないだろう。
これはこれで問題ではあるが、そもそも、このエコキャップ運動そのものの意味について、改めて考え直す必要があるのではないかと思う。
あまりに、労力と結果が乖離しすぎているからだ。
たとえば、ある中学校の取り組みとして紹介されていたニュースには、実に15万個も集めたという。
いくら小さいとはいえ15万個はかなりの量だ。
そして、800個でようやく1人分のワクチンとなる。それでもちりも積もれば…で、単純計算で187人もの子供たちにワクチンを送ることができる。
それはそれで素晴らしい。
けれど…と思う。
ワクチンひとり分は20円…。つまり、20円=800個だ。
15万個が、いったいいくらの金額になったか…というと…
3,750円!
187人分のワクチンが買えるというのは、素晴らしいとは思うけど、金額のあまりの小ささに愕然としてしまう。
さらに、この15万個という分量がどの程度になるか考えてみた。
このサイトによると、 3,500個 = 容積70L…とある。
その半分の1750個だと、35Lだが、計算しやすくするために、2,000個=40Lとして計算すると、50個=1Lとなる。
150,000個 = 3,000L!
45Lのゴミ袋で、実に66袋分となる。
この保管料、輸送費などを考えたら、先述の3000円なんて、あっという間に超えてしまうだろう。
この運動の考え方自体を否定するつもりはない。
考える“きっかけ”としてはいいのだけど、むしろ、これで終わってしまうのではないか…と思えてしまうのだ。
キャップを回収箱に入れたことで、ワクチンを送ったつもりになってしまうのではないだろうか?
実際には、膨大な手間の割には、わずかな金額にしかならないということ、そしてキャップを集めることをゴールとするべきではないことを、もっと周知すべきではないだろうか。