ベニテングタケの話/堀 博美
ふだんの生活の中で、きのこをモチーフにした、キャラクターやグッズなどを目にする機会がけっこうある。
気にし始めると、ものすごい種類があることを実感するが、そのきのこの代表格が、「ベニテングダケ」と言っても過言ではないだろう。
僕も気になってるきのこで、北海道に行ったとき見つけた!…と思ったのだけど、どうやら違っていたらしい。
それだけに、見たいという思いは募る。
自分自身も含めて、なぜベニテングダケが気になるのか、不思議と言えば不思議だ。
食べられるわけでもなく…むしろ、毒きのこだ…、身近で見掛けるわけでもなく、見ようによっては“毒々しさ”すら感じてもおかしくないのに…。
日本だけかと思ったら、実は、古今東西…世界でも古くから、ベニテングダケは注目されてていたようだ。
神話や伝説、童話、小説から、芸術の世界まで、様々なシーンで登場したベニテングダケの紹介をはじめ、ベニテングダケの生態や毒性といった分野まで、ベニテングダケに関わるあらゆる知識が盛り込まれている。
ずっと読んでいくうちに、どうしてベニテングダケが気になるのか、その理由が垣間見えてきた気がした…気がしただけかも。
毒性は高くないというものの、ベニテングダケは、毒きのこであることに変わりはなく、そのまま食べると中毒症状が現れるようだ。
著者も実際に食べていて、とても美味しかったようだが、中毒症状に苦しんだという話も出てきた。。
とにかく、全編で著者の、“ベニテングダケLOVE”がとてもよく伝わってきた。
振り返ってみたら、以前、この著者が書いた“きのこ本”を読んだことがあった。彼女がこの分野にはまったのは、ベニテングダケがきっかけだったようだ。