4357 エアコン住民投票で思うこと
昨日、所沢で特定の小中学校にエアコンを設置するかどうかを問う住民投票が行われた。
最近のあの夏の暑さを考えると、いくら夏休みがあるとはいえ、エアコンなしで過ごすというのは、ちょっと考えられないが、今回、住民投票に掛けられたのは、そういった暑さ対策だけを意識したものではなかった。
エアコン設置の対象は、入間基地を離発着する自衛隊機の騒音対策として、特殊サッシを使っている校舎だった。
そこに、当選した新市長が方針を転換し、エアコン設置を取りやめていたことに対する、住民投票であった。
その結果…
賛成(56,921票)が反対(30,047票)を大きく上回ったものの、投票率自体、3割をわずかに超える程度にとどまったという。
見かけで言えば、賛成多数ってことになるのだが、住民投票条例では「多数票が投票資格者の3分の1以上の場合、市長や市議会が結果の重みを斟酌(しんしゃく)しなければならない」と定めているが、その票数に遠く及ばない結果であった。
このニュースは、いろいろとツッコミどころが多い。
まず、気になったのは、新市長のエアコン設置反対理由だ。
「これまでの(快適で便利な)生活を変えるべきだ」
うーん…それを、小中学校に通う子供たちに強制するのってどうだろう?ということだった。
基地近くに住むことを望んだわけでもないし、便利で快適な生活を変えるということと、エアコンの有無とは直接関係がないと思う。
そもそも、防音対策のためのサッシをなのだから、どんなに暑かろうと閉めないと意味がないのに…。
次に気になったのは、この異常に低い投票率だ。
一番考えられることは、そもそも、この住民投票に関心がない…ということか。
事情が事情だし、エアコンくらい設置してやれよ…と僕は思うのだけど、投票すらしないという態度は、どのような結果になろうと気にならないという点で、明確に反対の意思表示をするよりもタチが悪い気がする。
でも、さらに興味深いのは、こんなに低い搭乗率でも、エアコン設置の賛成票数(56,921票)が、この市長の当選したときの投票数(38,655票)より、18,000票あまり多いという事実だ。
投票から住民の意見を読み取るというのは、実は、相当難しいことだと分かる。
さて、どういう結果になるのだろうか?