4277 iichikoデザイン30年展
上野にある東京藝術大学美術館で開催中の「iichikoデザイン30年展」へ行ってきた。
iichikoと言えば、あのどこか物憂げな感じというか、独特な広告をパッと思いつく。
サブタイトルは、「河北秀也 東京藝術大学退任記念 地下鉄10年を走りぬけて」
「河北秀也」「iichiko」「地下鉄」…
うーん…不勉強ゆえ、この展覧会を見に来るまでは、その関係性がわかっていなかった。
まず入口は、地下鉄車内を模した展示室へ…
地下鉄の走行音がBGMとして流れているので、雰囲気はまさに地下鉄そのもの。
旧営団地下鉄では、車内マナーの向上を目的に、さまざまなマナーポスターが作られ、東京メトロとなった現在も続いているが、かつて多くの作品を手がけたのが、河北秀也だった。
当初の作品は、森昌子や渥美清、林家三平などの芸能人が登場していたようだ。
その後はデザイン性に富んだ、作品が多数登場する。時代を感じさせるものも多い。禁煙時間や暑いときは電車の窓を開けて…といった啓蒙は、今では考えにくくなっている。
マナーポスターばかりでなく、なつかしい営団地下鉄の路線図(!)や、さまざまな雑誌の表紙やポスターなどでも活躍している。
サクマのいちごみるく、そして、iichikoのボトルまでも彼の作品だ。車内広告はiichiko。
地下鉄を過ぎると、数々のiichikoの広告がずらりと並ぶ。
広告というより、まさに、iichikoのボトルをテーマとした芸術性あふれる作品そのものだ。
iichikoの季刊誌なんていうのもあって、このデザインも河北秀也が手がけているという。
せっかくなので、iichiko風にダミーを置いてみた。
1983年から続くこの広告は、毎月1枚のペースで、現在も制作が続いているという。
展示室では、テレビCMも上映していた。おなじみのビリーバンバンの曲とちょっと懐かしい映像を楽しめた。
しばらく鑑賞していたが、自分のすぐ脇に、河北秀也本人が座っていて、ちょっとビックリ。時間があれば、ちょっと、お話を聞いてみたかった。
帰り際、受付の方から、「よろしかったら…」と渡されたビニール袋。
ずっしりと重いその袋の中を開けてみると、入っていたのは、なんと、今回の展覧会のカタログ!
綺麗な写真に加えて、テレビCMのDVDまで付いていた。なんて太っ腹。
そして、この展覧会の新聞広告を見つけれくれた、おじゃこに感謝。
会期は11月26日(水)までとのことなので、興味がある方、チャンスがあればぜひ!