4201 羽田空港アクセス新線

鉄道

JR東日本は、都心と羽田空港を結ぶ鉄道を建設するプロジェクトについて発表したというニュースに驚いた。

以前、休止中の貨物線を復活させて東京駅方面と接続するという話があって、実際に現地を見に行ったこともあったが、これに加え、さらに2つのルートを建設するという大胆な計画だ。

以前から明らかになっていた東京駅方面「東山手ルート」(東京‐羽田空港・28分→18分)、今回正式に明らかになった、新宿駅や渋谷駅方面の「西山手ルート」(新宿‐羽田空港・46分→23分)、新木場駅方面の「臨海部ルート」(新木場‐羽田空港・41分→20分)の3ルートだ。

羽田空港アクセス新線

たしかに、これができれば、都心方面からのアクセスは完璧。

ただいろいろ気になることもある。

特に気になるのは新宿駅や渋谷駅方面を結ぶ、西山手ルートだ。

・りんかい線という別会社を経由するが運賃はどのように計算するか?(臨海部ルートも同様)
すべての列車がりんかい線を通るのであれば、その分を上乗せすればいいが、東山手ルートのように、すべてJR東日本の路線で完結する乗客と混じってしまうと、りんかい線経由の乗客からその分の運賃を徴収できなくなるおそれがある。どうするのだろう?

・すでに運行している営業線に新たにトンネルを作って接続するという難工事
特に接続が予定されている箇所は、住宅密集地で地上の道路も狭い。そのために上下線のトンネルを並べることができず、上下二段に作られている。そこへ新たに複線を接続させようというのだから、相当大変そう。

・埼京線の新宿や新宿以北を走る列車本数が過剰にならないか?
完成が予定されている、いまから10年後には、相模鉄道が海老名から東海道貨物線を経由して新宿まで乗り入れているはず。現在、埼京線で新宿止まりになっている電車が、相模鉄道へ乗り入れていくとすると、羽田空港からやってきた電車は、どこで折り返すのだろう?そのまま埼京線へ乗り入れると本数は過剰になるし、どういったダイヤになるのだろう? 池袋or赤羽で折り返し?

そこへ、なんと、さらに、東京モノレールまで東京駅乗り入れの計画があることを発表したのだから、かなり驚いた。

現在、浜松町と羽田空港を結ぶ東京モノレールは、現在はJR東日本が筆頭株主で子会社だ。

そこが、親会社のプロジェクト発表に合わせるかのように、競合するプロジェクトをぶち挙げるというのは、何がなんだかわからないけど、何とも興味深い。

東京駅まで乗り入れると、現在乗り換えて28分掛かるところが6分短縮されて、22分になるという。前述の「東山手ルート」が、同じ区間を18分で走ってしまうとなると、ちょっと分が悪い気もするけれど…。

始発が東京駅になれば、必ず座れるみたいな、アピールで売り込むことになるのだろうか?

いずれのプロジェクトも完成までは10年も掛かるとされているから、そのまま順調に進むとは考えにくく、相当な紆余曲折が予想される。

引き続き注目していきたい。