4168 高校生が死について語ってた
通勤電車は、会話をする人がいないので、混雑の割には、きわめて静かだ。
駅員や車内放送のほうが、むしろ、うるさいくらい。
だから、静まりかえった車内の会話は、ちょっと目立つ。
高校生の男女が乗り込んできた。見た感じは、まさに、“いまどき”の高校生だ。
最初は意識していなかったが、途中から2人の話の内容が気になった。
どうやら、なんと、“死”についての話題のようだ。
朝から重いぞ。
男子高校生が言う。
「まだ、死にたくないよね??」
明らかに同意を得られるだろう…という感じの、その問いかけに対し、女子高校生は…
「別に、死ぬのは怖くないよ。」
…と、あっけらかんと答えた。
「ちっとも、怖くない」
それが、彼には、かなり意外だったようだ。
「えー、まじで? 悔いだらけっしょ?」
いま死んでしまったら、悔いばかりが残らないのか?と思ったようだ。
それに対し、
「別に…いつ死んでもいいし」
聞こえづらいところもあったので、詳細がわからないが、彼女は、悔いのないように生きてるから、死ぬのは怖くないという感じだった。
ちょうど駅に着いて、2人とも降りてしまってこれ以上詳しく話が聞けなかったが、少なくとも、女子高生の方が、どこかしっかりしていたし、肝も据わっていたように感じた。
でも、どちらが正しいという気はしない。
男子高校生は、ちょっと頼りなさそうだったけど、悔いだらけ…という言葉に、「生きたい」という強い意志が感じられて、これはこれで好感を持った。
悔いはないという女子高校生、悔いだらけという男子高校生。
さて、翻って、自分はどうだろうか?
jふと、どちらでもない…という答えが浮かんできた気がして、考えさせられた。