4164 もう魔術でもいいから…
STAP細胞の検証実験が行われることになった。
渦中の人物である、小保方さんも参加するとあって、厳重な監視の下での実験となる。
これを伝えるニュースの中で、興味深い言葉を見つけた。
異例の厳戒態勢について実験総括責任者の相沢慎一氏は、個人的な推測と前置きした上で「彼女が何か魔術を使って不正を持ち込むのでは、という危惧が世間にあるからではないか」と独特の表現で説明した。
やはり、この“魔術”という言葉は印象に残るようで、気になる人も多かったようだ。
まったく同じ言葉ではないが、以前発生した史上最大の論文捏造と呼ばれた事件でも、似たような感覚を持たれたようだ。
科学者たちは自分の実験方法を疑った。そして、どうしても実験がうまくいかないと、こう考えたのだ。
「そうだ!マジックマシンがあるに違いない!」
シェーンの使っている実験用の機械に、極めて特別なノウハウがあるから、自分には再現できないんだ…と考えてしまったのだ。
実験に何度も“成功”ということと、どうやっても再現できないという現実を共存させるためには…特殊なノウハウの詰まった実験用機械があるのか、はたまた、魔術でも使わない限り無理だ…という考えに至ってしまう。
確率から言ったら、そもそも実験に“成功”という部分に嫌疑が掛かることになるのだけど。
ただ、以前のケースでは、捏造に関わった中心人物が失踪し、表舞台から姿を消してしまって、事件そのものがうやむやになったのだが、今回はちょっと様相が異なる。
今後どういう展開を見せるか?勝手に想像すると…
これまで伝えられている内容から類推すれば、再現はできないと考える方が自然だ。
それでも、再現実験を行うというのだから、すでに、なんらかのストーリーを考えているのではないか?
もっともあり得るかなと思ったのは、
「再現はできなかったが、故意ではなく、捏造とまでは言えない」という結論。
この再現実験で判明するのは、おそらく「あくまで再現できなかったよ」ということだけにとどめ、STAP細胞の存在自体を否定しないのではないだろうか?
当初、STAP細胞は簡単に作成できるとか、前回の会見で200回成功したと言ったことと、明らかに矛盾するが、このあたりを曖昧にしたまま、この問題を収束させていく流れになると思う。
白黒付けるための実験だったはずななのに、それがハッキリしないグレーのまま…ということになってしまいそう。
そして、結局、この問題はなんだったんだろう?…というモヤモヤだけが残ることになる気がしてならない。
もう、魔術でも何でも構わないからハッキリさせて欲しい。