[社会の窓]使われ続けてきたことに価値がある
もうすぐ撤去される柱を見てきた。
開業時から、いまこの瞬間まで、ずっと現役で、その役割を果たしている。
柱のある5番線・6番線ホームにいるとわかりにくかったが、となりのホームから見ると、いまもしっかりと架線を支えている様子がよく分かる。
ここは何度となく通ったはずなのに、こんな凝った姿をしているのは、ここへ来て初めて知った。
人の目に触れにくい場所であっても、手を抜かなかったということか。
震災を乗り越え、戦争を乗り越え…老朽化だけはどうしようもなかった…ということだろうか?
一部は保存されるということで、それはそれでいいことだとは思う。
でも、現役で使われ続けいるということと比べると、受ける印象はまるっきり違う。
使われ続けてきたこと自体に価値があるような気がする。
あくまで安全第一だし、古くなったら置き換えるというのも間違いないのだけど、なぜか、人間と重ねて見てしまうせいか、どうも感情的になってしまっていけない。