4059 個人的なデザイン論

芸術・デザイン,鉄道

この記事に限りませんが、ここで書かれいることは、あくまで僕個人の主観ですので、あらかじめご了承ください。意見には個人差があることは承知しており、自分と異なる意見についても、もちろん尊重しています。


山形新幹線「つばさ」のデザインが新しくなるという。

このニュースでデザインのイメージを見たとき、思わず声が出た。

「また、これかよ…」

うーん…

まさに、北陸新幹線E7系のデジャブだった。

ニュースリリースには、こう書かれていた。

先頭部を取り巻く印象的なラインとその深い紫色は、鳥類で最も美しいと言われる紫色の飾り羽根をもつ山形の県鳥「おしどり」をモチーフとしました。また、帯には県花である「紅花」の生花の鮮やかな黄色を基調に、染料に加工されるにつれ赤色へ変化し
ていく「紅花」の色の移ろいを先頭部に向けてのグラデーションで表しました。蔵王の雪の白をバックに、これらの色と形を通して山形の彩り豊かな自然の恵みと新幹線の持つ躍動感を表現しました。

そして同時に思ったのは、「やっぱり、欲張りすぎている」ということだった。

沿線にたくさんの魅力があることはわかるし、それを伝えたいということもわかる。

でも、これをみんな盛り込んでしまうと、メッセージが散漫になって、全体的にボヤっとしてしまう。

自分のイメージするデザインのあり方…それは…

あえて、割り切り、そぎ落とすこと。

絞りに絞られたデザインは、作る側にとって、伝えたいことが伝わらないと、不安になるかもしれない。

でも、その不安に思われる部分…つまり、デザインの外にある部分に、見る側に対して、ドラマやメッセージを読み取ってもらおう…とは、考えられないだろうか?

これこそ、まさにデザインを作る側と見る側の対話だと思う。

最近のJR東日本の車両は、こうした対話ができるデザインが少ない気がする。

対話というよりも、押し売りとか押しつけに近い。

こんな感じで、色の意味までいちいち伝えられると…特に。説明したいのはわかるけど…

そういった意味では、「デザインは独善的でいい」と思っている(矛盾してるかもしれないけど)。

そぎ落とす過程があれば、当然ながら、デザインをする人の偏りは出てくる。

立場によっては批判的に見る人もいるだろう…僕みたいに。

もっとも、どんなデザインであろうと批判は免れないし、万人に受けるデザインなんてないという…ごくありふれた結論になってしまうが…。

以前、違和感を持った、北陸新幹線E7系も、実はまだ見たことがないし(すみません)、今回の車両も4月下旬に登場ということなので、あらためて現実を見て、感想が変わるかどうか、もうちょっと様子を見てみよう。

でも、やっぱり、僕の理想は、「あえて」絞り込んだ、シンプルなデザインだけどね。

Posted by ろん