迷惑メール、返事をしたらこうなった。/多田文明

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先日読んだ本の続編。

一時期に比べたら、自分のところに届く迷惑メールはかなり減ったが、それでも少なからず、迷惑メールはやってくる。

たいていはあまり興味のないことばかり書かれているので、読むこともしないし、ましてや返信することもない。

けれど、この迷惑メールに反応すると、どういったことが起きるのだろう?という、好奇心はある。

本書はタイトル通り、返信するとどうったことになるのかを、自身の体験を通じて紹介する。

「ロト6攻略法」、「一攫千金」、「あやしい通販」、「出会い系」、「友達申請」などの迷惑メールを紹介している。

これらの迷惑メールに共通していることとして、あまりに誤字が多いのも特徴のようだ。あえて誤字のまま掲載されているが、それだけで胡散臭さが増す気がする。

そして、この迷惑メールに対して、著者は実際に返信している。

業者と著者と直接やりとりする場面は、この本の一番の見どころ。 専門家である著者から追い詰められる業者の姿は、読んでいて痛快だ。

それにしても、「絶対に儲かる」といったような、明らかにおかしい、あり得ないことに、どうして騙されてしまうのだろう?

当事者になってしまうと、見えなくなってしまうのだろうか?

違法性の高い通販を利用したり、公序良俗に反する内容のやりとりはもちろんそもそも、こうした迷惑メールに返事したということ自体の「後ろめたさ」が、周囲への相談ができずに、発覚を遅らせる原因にもなるかもしれない。

また、あらかじめ相談させないように「守秘義務」をちらつかせ、発覚させないようにしているケースもあるようだ。

まずは、こうした本で、返信したらどうなるのか? この先にどういったことが待ち受けているか?業者の手口が広く知られれば、犯罪は減るのではないか…と思った。

でも…これは、虚しい希望にすぎないと思えてきた。

オレオレ詐欺(特殊詐欺、母さん助けて詐欺)が、これほど問題になって、さまざまな手口が後悔されていても、減るどころかむしろ増えてる状況を考えれると…。

被害を抑えるには、地道に告知活動を続けるしかない…というのは、何とももどかしい。

Posted by ろん