「ガード下」の誕生/小林 一郎

- 「ガード下」の誕生――鉄道と都市の近代史(祥伝社新書273)
- 小林 一郎
- 祥伝社 2012-04-03by G-Tools , 2014/01/25
高架橋を走る線路の下…つまり、ガード下は、独特な空間だ。
ひっきりなしに列車が通り、レールのつなぎ目を叩く地響きを感じる低い音、近くの鉄橋から響く音…上下左右が完全に仕切られたスペースという制約は、以前から、妙に魅力的な空間に感じている。

定義から、その歴史、そして現在の多彩な活用状況までも網羅した、この本は、さまざまな、ガード下の話題が盛りだくさん。
国道駅、有楽町のインターナショナルアーケードといった昭和の雰囲気漂う場所から、2k540のような新しい活用など、僕も訪れたことのあるガード下についても、細かく紹介されている。
最近では、ホテルや保育園などにも活用され、ガード下は、いま注目のスポットになっている。
その一方で、ガード下ではないけど、有楽町で発生した火災のような問題もあったり、耐震化対策のため古いガード下は、徐々に消えてしまう運命にあるのも事実。
味わい深い“ガード下らしいガード下”がなくなってしまうというのは、すごく悲しい。
また、ガード下だけを、あらためて鑑賞しに行きたくなった。
