3983 タブレット端末…まだまだ敷居は高い

PC・携帯・ネット

iPadを使ったタブレット講座を開催した方の「高齢者へのiPad導入を阻んだiOSのUI/UXの話」という記事を拝見した。

Facetimeビデオ通話のデモで会場を一気に盛り上げたものの、参加者に実際に体験してもらう段階で「大失敗」。AppleIDの取得とそのためのiCloudメールの登録をしてもらってから、と進めたのですが、30名ほどの参加者のうち時間内にゴール出来たのは、たったの1名。好きなアプリをダウンロードしてもらい、タブレットの楽しさを感じてもらう目標が、そのスタート地点にも立てず(;_;)

僕も両親をはじめ、パソコンやタブレットの使い方を教える機会が多いので、なるほどと思う点が多かった。

まず、作業の動線がわかりづらいという点に同感。

次に何をしたらいいのかがわかりにくいのだ。

振り返ってみれば、自分も戸惑うことは決して少なくない。

また、ボタンが小さかったり、ボタンを押したときの反応がわからず、自分がきちんとボタンを押せていないのか、それともiPadやネットの反応が遅いだけなのかの判断が付かないなど、慣れた立場から見れば、当然のこととして流してしまいそうな問題が次々と明らかになっている。

いずれも言われてみれば…ということばかりだ。

また、ネットへの接続においては欠かせない、IDとパスワードの意味も理解されにくそうだ。

高齢者にしてみたら、ふだんの生活で、パスワードに相当するものは、せいぜい銀行の数字4桁の暗証番号程度だ。

それですら、覚えられないのに、アルファベットの大文字小文字と数字を組み合わせて…みたいな、パスワードなんて、すぐにわかるわけがない。

記事の中で、面白かったのは、パスワードを忘れたときのヒントになる、秘密の質問について。

この手の質問は、「中学校の時の親友の名前は?」といった、過去の事象を入力させることが多いため、ある高齢者が「そんな古いこと覚えてないよ」と言ったという。

当たり前のように思ってることは、当たり前で済まない現実。

さらには、いま新規でメールアドレスを取得しようとしてるのに、別に、緊急連絡用のメールアドレスを聞かれるなんて、なんだ?この矛盾。

以前紹介した、騙される人を手ぐすね引いて待っているパソコンの世界よりは、まだマシだと思うが、それでも、敷居の高さを感じさせる。

徐々に、スマートフォンに慣れた世代が高齢者となっていけば、こうした問題は徐々に解消していくのかもしれないが、使用者に負担を強いる状況が続くという点は変わらない。

ずいぶん進化したように思える、スマートフォンやタブレットだが、こういった状況を見ると、まだまだだな…と思ってしまう。

でも、誰もがもっと気軽に使えるようになる日は、そう遠くないような気がする。電卓のように。

Posted by ろん