震える牛 (小学館文庫) /相場 英雄

- 震える牛 (小学館文庫)
- 相場 英雄
- 小学館 2013-05-08
- by G-Tools , 2013/11/26
【ネタバレあり】
文庫本の推理小説を読むのは久しぶりのような気がする。
本書は、ちょっと前のベストセラーだったそうだ。
2年前に起きた未解決事件を追う刑事と、日本最大のショッピングモールの大番頭の2人が軸となって物語は展開する。
いまの日本の抱えるさまざまな問題を、物語の中に、うまい具合に織り交ぜている。
本来食用ではない飼料向けの肉を“加工”して“食品”に偽装…
捜査の不手際を表沙汰にしないようにする警察組織の隠蔽体質…
巨大ショッピングセンターの地方進出で“買物難民”が生まれ、地方が疲弊…
現実でも起きていると、リアルに感じられる部分も多かった。
全体的に読みやすく、わかりやすかった。
しかし、ページをかなり残した段階で、犯人がハッキリしてしまったために、大きなどんでん返しが来るかと思ったら、これと言ってヒネリがなく、ちょっと拍子抜け。
ちょっと意外な結末ではあったものの、結局犯人は想像通りだただけに、後半は、冗長な感は否めなかったのは残念だった。