3963 イノベーション
今日は珍しく、ある企業のイベントに参加し、“イノベーション”に関する講演を聴いてきた。
そもそも、イノベーションとは…Wikipediaの見出しがわかりやすかったので引用すると…
新しいアイディアから社会的意義のある新たな価値を創造し、社会的に大きな変化をもたらす自発的な人、組織、社会の幅広い変革。それまでのモノ、仕組みなどに対してまったく新しい技術や考え方を取り入れて新たな価値を生み出して社会的に大きな変化を起こすことを指す。
まったく新しい技術や考え方とは何か?
講演された、ホンダの元経営本部長小林三郎さんは、日本で初めての量産型エアバッグを開発した方だ。
まさに、これがイノベーションだった。
世の中に存在していなかった技術が、いまではすべての自動車に標準装備となっている。
エアバッグの開発にあたっては、ほとんどの役員・技術担当が大反対したという。開発に携わった十数年間、大変な苦労をしただけあって、話しぶりには、自信に満ちあふれていた。
イノベーションは、とかくこういうものらしい。
ソニーのウォークマンの例も挙げていたが、こちらも、「こんなの絶対に売れない」と、社長以外の役員が開発に反対したというのは、有名な話だ。
みんなが反対する発想こそ、そこにイノベーションがあるというのは、意外とよく聞く話。
お話しされた小林さん、かなり毒舌も混じって、ときおり勢い余って発する「バカヤロウ!」なんていうしゃべり方は、ビートたけしを彷彿させる。
いまの日本には、イノベーションが欠乏しているという指摘する。
ウォークマンが、アップルのîPodに取って代わり、ホンダを辞めた人間ですら、ホンダには欲しい車がなく、アウディやポルシェ、ベンツに乗っている!と言い切るあたりは、そのとおりなのだろう。
講演のなかで、いろいろな“処方箋”の提示はあって、なるほどと思うことも多かったが、一つだけ気になったことがあった。
それは、どうして今の日本から、イノベーションが消えてしまったのか?という「原因」である。
たしかにイノベーションは大事だし、それが人々の生活を大きく変える原動力になる。
わかっていても出てこない。イノベーションが生まれない。
なぜか?
おそらく、日本がイノベーションが生まれるのを、じっくり見守る社会になっていないからなのではないか?…と思うのだけど、どうだろう。
このあたりのお考えについても、ぜひ聴いてみたいと思った。
非常に前向きで、ためになる講演だった。