3857 ベストな対処法は?
仕事柄、打ち合わせが多い続く。
ちょっと前のことだが、会話途中で、聞き慣れない言葉が耳に入った。
「〇〇のシワクがあるんですよ…」
・・・
シワク?
一瞬、何のことだかさっぱりわからなかったが、「シワク…シワク…」と何度か繰り返しているうちに、わかった。
思惑
おもわく
聞いたのはこの1回だけだったので、気がつかなければ、そんなに問題もないだろうが、そうじゃない場合は、ちょっと困る。
「今回は、この方法をフシュウします…」
フシュウ?
まず頭に浮かんだ言葉は「腐臭」だったが、会議でそんな臭う言葉は使わない。すぐに正しい読みというか、言いたかった言葉がわかった。
踏襲
とうしゅう
困るのは、これを何度も繰り返し使っていたため、そのたびに気になったということだった。
さらに、こういうこともあった。
「このグラフが何を表しているかボンレイを示して…」
ボ…ボンレイ??
でも、これはすぐ、なにが言いたいかわかった。
凡例
はんれい
まぁ、いずれも間違っているが、多少戸惑ったものの、最後はちゃんと?伝わっているから、いいのかもしれない。
でも、やっぱり気になる。
間違えてるんだから。
じゃあ、この誤りを訂正できるかというと、ちょっと困る。
この誤った読み方は、これまでずっと誰からも訂正されることなく、今でもけっして間違だと思わずに使ってきたのだろう。
そうした過去を断ち切る勇気は、僕にはない。
「お前は、問題から目をそらすのか?」
「いや、そこまで僕に責任はないだろう?」
なぜか自分の中で葛藤。
おそらく、誤った言葉を発している人よりも、ずっと僕のほうが、気になっているという不可解な状況が続く。