3790 小さくなったり、大きくなったり
所用で実家に帰った。
ダミーを差し出すが、最初はちょっと関心のある様子だったがすぐに飽きてしまう。
さて…。
いつも実家に帰るたびに思うことは、かつて暮らしていた家全体が、とても小さく感じるということだ。
部屋やトイレの取っ手、玄関や階段の段差…
あらゆるものが小さい。
自分が大きくなった…とは言っても、社会人になってからもしばらく暮らしていて、現在とほとんど変わらない体格で暮らしていたこともあるはずなのに…
イメージに強く残っている感覚は、小学生や中学生くらい暮らしていたころの方が強いのかもしれない。
寒いし天気はあまり良くなかったが、久しぶりに、ちょっと散歩に出掛けてみた。
ちょっと歩いて行った先に、かつて小さかった桜の木が見上げるほど大きくなっていてびっくりした。
今度は、自分がとても小さくなった気がしたのだ。
偶然15年近く前に撮っていた、ほぼ同じ位置からの写真と比べると一目瞭然だった。

木の生長は、意外と早いものなのだろうが、あまり意識することがなかったせいか、こうして花を咲かせたことで、その存在感をあらためてアピールしているかのようだった。

そりゃあ、タマだって驚く。
実家を離れて、時間が経てば経つほど、記憶が薄まると同時に、そして、大きさのギャップを感じるたびに、懐かしさが一層、強くなる。
「タマ~、また来るよ~」
こうした感覚って、どうして起きるんだろう…と思いながら、夜、自宅をあとにした。