3786 アラサーエアコン
インターネットの広告や、電車内の広告などで見掛けるようになった、「アラサーエアコン」。
この広告を見るたびに、違和感を覚えずにはいられない。
僕だけかもしれないけど、そもそも“アラサー”という言葉を使うシーンには、あまりポジティブさを感じないからだ。

むしろ、この言葉から受けるのは、ネガティブで、自虐的、侮蔑的なイメージ。
実際、Facebookでのコメント欄には、辛辣な言葉も散見される。
もちろん、そんなことはないという意見も当然あるだろうけど、少なくとも、この言葉から受けるイメージの振れ幅は広いことはたしかだ。
そういった言葉を、あえて商品宣伝のコピーとするのは、かなり危険な行為のように思える。
まぁ、売りたい商品のターゲットは、いわゆる“アラサー”世代であるというのは、わかる。
でも、このイラストに描かれている人物像は、それなりに子どもが大きくなった30代の家庭である。
こういった“家族”に対して、アラサーというのには、どうしても無理がある。
本当に売りたいのターゲットが、イラストのような家庭だとしたら、ここで、なぜ“アラサー”という言葉を持ち出したのか?
マーケティング上、ターゲットを絞るという意味で、内部で“アラサー”を言うのならわかるが、それを前面に押し出すことの意義を、僕はまったく見いだせない。
“アラサー”に限らず、どんな場合でも、一般的には、自らを括るのはよくても、他人に括られることに対しては、決して良い気持ちはしないはずだ。
だから、“アラサー向けのエアコン”と言われて、良いイメージを持つ人は、極めて少ないと思う。
でも、あえて、この言葉を使ったわけだ。
以前、マーケティングが社会(特にネット)から乖離しているのでは?と記事にしたこともあるが、この件についてはどうだろう?
特に明確な答えが見つかることもなさそうだけど…。