督促OL 修行日記/榎本まみ

督促OL 修行日記
督促OL 修行日記

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榎本 まみ
文藝春秋
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「ふだん督促を受けることなんてない!」…と書こうとしたが、ときどき、図書館から返却期限が過ぎたことを知らせる督促を受けることがある…すみません。

…と、本人の故意か過失かどうか関係なく、借りたものを返しそびれることは、多々あるわけで、それが滞った場合、督促されるのだ。

本書は、新卒入社した会社で最初に配属された部署が、支払延滞顧客への督促を行うコールセンターだった…という女性の奮闘記。

朝から晩まで顧客から怒鳴られ続け、精神を病み…同期入社も次々と辞め…と、追い詰められるが、劣悪な環境で仕事を続けていくうちに、ノウハウを身につけ、逆境をはねのけていく。

督促とは、お客様の信用を守るために必要なんだという考えは、なるほどそういう見方もあるかと思った。

ちょっと気になったのは、著者の紹介に、「300人のオペレータを指示して、年間2000億円の債権を回収している」…とあるが、これはちょっと“盛り過ぎではないか?…と。

彼女は、パートやアルバイトで更生されているオペレータが、「上司を出せ」と言われたときに対応する正社員という立場に過ぎない。それはそれで大事な仕事だけど、前述の表現だと、そこの責任者のように誤解してしまうではないか。

また、「本当にこんなことが起きてるの?」と穿ってみてしまうエピソードもあったが、ここは割り切って、楽しく読んでみたほうがいいかも。

自分の生活にも応用できそうなノウハウがけっこうあった。

「申し訳ございません」を繰り返してる電話って、聞いていてくどいんです。謝るときのコツは『具体的に』謝ることです(p.186)

例えば…

お恥ずかしい思いをさせてしまい、申し訳ございません。
不快な思いをさせてしまい、申し訳ございません。

…といった感じ。なるほど。同じ謝るにしても、同じ言葉を繰り返しているとうわべだけぽいが、こうすることで印象が全然違う。

また、相手に怒鳴られると一瞬固まってしまい次の言葉が出てこなくなる。これは百戦錬磨のオペレータでも同様だそうだ。

そうした状況に対処する方法は、モニターの周りにある言葉を書いた付箋紙を貼るということだった。

何が書いてあるかというと、「お電話ありがとうございます」のような、ごくごく当たり前で、わざわざ付箋紙に貼ることもない言葉だった。

頭の中が真っ白になってしまったときは、とっさにこの言葉を呪文のように集中して読むことで、落ち着きを取り戻すのだという。

これは怒られるようなときばかりでなく、自分の思い通りにことが進まなそうだと感じる場合には、事前に当たり前の内容でもセリフを書いたメモを準備しておくのがよさそうだ。

たとえ、どんなにつらく大変な仕事でも、活路を見いだすことができる(かもしれない)し、性格もよりポジティブになる(かもしれない)。考えさせられた。

楽しく(あっという間に)読めた本だった。

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