3759 実質の実質
自宅のポストに、インターネット接続サービス「フレッツ光」の広告が入っていた。
いまのところ、ADSLで十分なので、光回線を使ったインターネットは必要ないのだけど、なにげなく見ていたら、いろいろ気になった。
まず感じた第一印象は、「ややこしい」ということだった。
さまざまなサービスがあって、それを組み合わせる上に、さらにそれぞれに金額の違ったプランがあるから、組み合わせがいくつも出てきてしまうのだろう。
そして、そのややこしさを助長するのが、注意書きの多さだった。
広告の下の方に、小さな文字でざっと適用条件が書かれている上に、広告全体に、注意書きが散りばめられていた。
これをざっと読んだだけで理解するのは、まず無理だし、一般のお客さんが、ちゃんと見ているとは思えないが、きちんと正確に説明しようとすればするほど、ややこしくなるのだ。
そして、そんなややこしいチラシのなかで、もっとも目を惹いたのが、“実質”の文字だった。
じっ‐しつ【実質】
実際に事物に備わっている内容や性質。「形式ばかりで―が伴わない」⇔形式。
ここでいう「実際に事物に備わっている内容や性質」…ってなんだろう?
わざわざ実質という言葉を付け、“2,667円”とならない理由はなんだろう?
最初はよく分からなかったが、さらに広告を読んでみると、どうやら、利用金額に応じて付与されるポイントが影響しているようだ。
つまり、ポイントが毎月105円分付与されるので、その分、毎月割引されてると言いたいらしい。
金額は小さいとはいえ、実際の支払額は、これより105円高いということになる。
広告主は、その付与されるポイントには、105円の価値が備わっていると判断しているようだが、そのポイントはそのまま現金として使えるわけではないのだから、利用者から見たら、まったくの“別物”である。
まぁ当たり前といえば当たり前だけど、広告でいう“実質”とは、本当に知りたい“実質”とは限らないのだ。