3758 四半世紀ぶりのラジオドラマ
ここ最近、なぜかお昼にカレーばかり食べる日が続いた。

意識してそうしたわけではないけど、結果的にそうなってしまったのは、きっとカレーが好きなのだろう。
ふと、カレー好きの男と、カレーそのものが“主役”のラジオドラマを思い出した。
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妻に逃げられたある男は、もう何日もカレーを食べ続けている。
なぜなら、彼が作ることのできる料理は、カレーだけだったからだ。
そんな男が、スーパーであるカレーのルーを買ってくる。
そのカレーのルーの“独り言”と、寂しさのあまりしゃべり続ける男の独り言が、奇妙なシンクロがおもしろい。
カレーの歴史や福神漬など、まさに、カレーの身の上話も織り交ぜながら、物語は進んでいく。
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僕は中学生か高校生のころから、ラジオを聴いていて、ラジオドラマもよく聴いていた。
この話は、FM東京のラジオドラマ枠「夢のひととき」で放送された「カレーの身の上」という話で、月曜日から金曜日の五夜連続で放送された。
もうかなり古い話ではあるが、内容や、そこで流れていた曲までもハッキリと覚えていた。
久しぶりに、このラジオドラマをもう一度聴いてみたいと思って、ダメ元で検索してみたら、なんと、ニコニコ動画に、誰かがアップロード(前編/後編)していたのだ。
これには本当にビックリした。
25~6年前のある一週間、僕と同じように聴いて録音してくれた人がいて、それをおそらくカセットテープに保存してあったということだ。
懐かしさをかみしめながら、聴いてみた。
!
懐かしい!
ラジオドラマの舞台は、聴いた人のそれぞれの頭の中にあるものだろう。
目をつぶると、中学生か高校生のころの僕がイメージした世界が鮮やかによみがえってきた。
それは、四半世紀前の僕が想像した景色と、寸分違わぬ景色だった。
だから懐かしいのだ。
でも、考えてみると、僕は当時から、全然成長していないんじゃないか?と、ちょっと悲しくもなるけれど、懐かしさの方が大きかった。
また、あらためて、ラジオドラマっていうのも、いいものだと実感した。
電話を掛けるシーン…逡巡してダイヤルを回す手を止める…なんて場面は、時代を感じさせる。
もちろんコード付きの黒電話だ。
最近の若い人は、こういう音を聞いても、イメージが湧かないんじゃないだろうか? 逆に現代のラジオドラマだと、このような場合、どんな効果音になるんだろう?
なぜか、カレーをたくさん食べ続けたことがきっかけ…ということになったが、また久しぶりにラジオドラマを聴きたくなった。