モリナガ・ヨウの土木現場に行ってみた! /モリナガ ヨウ
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モリナガ ヨウ
アスペクト
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本書が刊行されたのはちょっと古いが、そのおかげで完成した現在の土木現場と比べてみることができる。
北海道から沖縄まで、各現場を3ページにわたって23カ所の現場が紹介されている。
身近なところでは、石神井川の改修や新宿駅改良工事から、すでに完成している副都心線、ふだん、まず意識することのないコンクリート工場など、日本を支えていると言っても過言ではない、土木の現場を、モリナガヨウさんの独特のイラストで、わかりやすい。

「こんな作業が行われているんだ!」とわかると、土木工事現場の見る目が変わってくる。
以前、モリナガヨウさんの著書を、「版が小さくて読みにくい」と書いたら、なんと、ご本人から、「もともと大きな版型での連載だった」というコメントをいただいた。
本書も、土木業界の機関誌への連載がもとになっているせいか、やはり、文字やせっかくのイラストが小さめなのが残念。
とても面白く読ませてもらったが、どうしても気になったことがあった。
土木の技術はおそらく世界一だと思うけど、その後の維持はどうだろう?とか、不測の事態に対する備えはどうだろう?ということだった。
おそらく、本書が刊行された当時(2010年)だったら、まったく心配していなかっただろうけど、福島第一原子力発電所の事故や、先日開通したばかりの笹子トンネルの事故などを思い出すと、どうしても一抹の不安を覚えてしまうのは、僕だけではないと思う。