3743 お願い!あっち向いて!
会社への行き帰りの電車のなかでは、短い時間ながらも、見知らぬ人たちと過ごすことになるためか、変わったことや、困ったことなどが起きる可能性は高い。
特に混雑した車内では、不自由な状況ということもあり、いろいろなことが起きる。
今回は“面と向かって乗ってくる人”に困らされた。
人は、たいてい無意識のうちに、できるだけ顔を合わさないよう配慮するもので、乗車したら、すでに乗車している人に対して、背中を向けたり、身体を斜めにしたりして、他人同士が真正面に向き合わないようにするものだ。
しかし、昨日、朝のラッシュ時、途中駅から乗ってきた、マスク着用の中年男性(以下、おっさん)は、向きも変えずに、なぜか僕の真正面に立ったままの状態となったのだ。
混雑してるとはいえ、おっさんの背中側は空いており、けっして身動きが取れない状況でもないにもかかわらず…。
なぜ、この状況を回避する努力をしないんだ! あっち向いて!
知らないおっさん同士が顔を近づけている光景は異様だ。
僕のほうは自由に動ける空間があまりなかったが、必死に、せめて、おっさんと目が合わないよう、身体をよじった。
すると、今度は、マスクから漏れたおっさんの息が頬に当たるではないか!
なんという罰ゲーム!
まぁ…どんなことでも、人によって感じ方は異なるものだと思う。
他人に近づかれると不快に感じる空間…いわゆる“パーソナルスペース”には、それほど違いはないものだと思うのだけど、そうではないのだろうか。
2駅ほどで罰ゲームは終了したが、常識や一般的な感覚というものは、誰にでも通用するものではないのだ…と、あらためて痛感させられた数分間だった。