3553 抗議行動を見学
原発再稼働に反対する抗議行動は、毎週金曜日に行われ、回を追うごと、参加者が増えているというニュースを聞いた。
以前から、気にはなっていたものの、ちょっとした話題になってきたこともあって、“参加”…というよりも、“見学”をに行ってきた。
19時頃の霞ヶ関は、帰宅する公務員や関係者が、駅に向かって大勢歩いてて、僕が向かおうとしている首相官邸とは逆の流れができていた。
抗議運動に参加しようとする人の姿はそれほど多くないように見えた。
が、しかし国会議事堂あたりまでくると、突然、歩道が参加者でいっぱいになっていた。多数の警察官に誘導され、歩く方向を誘導していた。
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由来はよく分からないけど、白い風船が配られて、みんな手に風船を持ちながら、ぞろぞろと歩いていた。
特に決められた方向があるわけではなく、何となく、前の人に突いていく感じだった。
そしてある程度歩いて行くと、その動きが止まった。
国会議事堂正面に来ていた。
「再稼働やめろ!」「命を守れ」
拡声器での声に、シュプレヒコールをあげる。
大声を張り上げる人もいれば、小さな声の人も。
周囲を見渡すと、老若男女、外国人も多数。
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参加者は、自分なりの無理のないペースで抗議している感じだ。
この声は、国会や首相官邸に届くのだろうか?
群衆の中にいて思ったのは、結局は、政府と国民に、大きなすれ違いが起きているということだった。
そもそも、なぜ原発が必要なのか?なぜ再稼働が必要なのか?
この単純なことすら、国民にきちんと説明ができていないのだ。
これまで虚偽の説明が重ねられたことから、政府や電力会社の発表はすっかり信用を失っているため、いくら「電力が足りなくなる」という説明をしても、まったくといっていいほど信じてもらえていない。
この状態で、反対の声の大きい、原発が再稼働するとなれば、問題はいっそうこじれることは、容易に想像できる。
それがいまだ。
反対の声が大きいのであれば、もし、原発無しで頑張ってみたら、どういうことになるのか? 変な“下駄を履かせる”ようなことをせずに、リアリティーのあるシミュレーションを国民に提示すべきだ。
本当に必要なら、ちゃんと国民をとことん説得すればいい。
説明に手を抜くから、話がややこしくなっている。
意図的に、説明に手を抜いているとしたら…
抗議運動は、20時で終わりのようで時間になると、主催者と思われる人たちから…
「家に帰るまでが抗議運動です」
という、どこかで聞いたことのあるような声が聞こえた。
最初はほとんど身動きが取れなかった国会前も10分ほどしたら、スムーズに動けるようになった。
報道されているとおり、極めて整然とした抗議運動だった。
歩いている途中で、「おつかれさまでした。気をつけてお帰りください」と言っている人をよく見たら、警備中の警察官だったのが印象的だった。