東京屋上散歩/鷹野 晃
東京屋上散歩
鷹野 晃
淡交社
屋上という場所は、身近でありながら、どこか特別な場所のように感じる。
同じ建物なのに、屋上だけは自然の雨風にさらされ、建物内部とはまったく異なる表情を見せる。
当然と言えば当然だけど、そのために、地上では想像の付かない光景が広がっていることが少なくない。
本書では、誰もが入れる屋上から、管理者に頼み込んで入った屋上まで、さまざまな屋上を紹介する写真集だ。
僕も屋上に上がると無意識のうちに写真を撮っていることがある。
本書に載っていなかったが、僕がもっとも印象的だった屋上は、いまはなき九段下ビルの屋上だった。朽ちた三輪車がなぜか心に残った。
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デパートの屋上も、魅力的な場所だ。
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本書で紹介されている、さまざまな屋上は、「こんなことになってるんだ!」という驚きもあり、見ているだけでも楽しい。
農園だったり…
古い昭和だったり…
隠れ家だったり…
ロマンチックなところだったり…
森だったり…
動物園だったり…
遊び場だったり…
屋上は、明らかに完全な人工的な場所のはずなのに、びっくりするほど、いろいろな風景を見せる。
そして、そんな場所に集う人たちもさまざまだ。
どこかの屋上に上がってみたくなった。
一般に公開しているものの、僕が知らなかった屋上がいくつも載っていた。
JAビル スカイガーデン、ケアコミュニティ原宿の丘、東品川海上公園、コマツ本社ビル(赤坂二丁目)、三井住友海上ビル(神田駿河台3丁目)などなど…。
いずれ行ってみたい。