東京屋上散歩/鷹野 晃

■建築・都市,龍的図書館

東京屋上散歩
鷹野 晃

淡交社

屋上という場所は、身近でありながら、どこか特別な場所のように感じる。

同じ建物なのに、屋上だけは自然の雨風にさらされ、建物内部とはまったく異なる表情を見せる。

当然と言えば当然だけど、そのために、地上では想像の付かない光景が広がっていることが少なくない。

本書では、誰もが入れる屋上から、管理者に頼み込んで入った屋上まで、さまざまな屋上を紹介する写真集だ。

僕も屋上に上がると無意識のうちに写真を撮っていることがある。

本書に載っていなかったが、僕がもっとも印象的だった屋上は、いまはなき九段下ビルの屋上だった。朽ちた三輪車がなぜか心に残った。

デパートの屋上も、魅力的な場所だ。

本書で紹介されている、さまざまな屋上は、「こんなことになってるんだ!」という驚きもあり、見ているだけでも楽しい。

農園だったり…

古い昭和だったり…

隠れ家だったり…

ロマンチックなところだったり…

森だったり…

動物園だったり…

遊び場だったり…

屋上は、明らかに完全な人工的な場所のはずなのに、びっくりするほど、いろいろな風景を見せる。

そして、そんな場所に集う人たちもさまざまだ。

どこかの屋上に上がってみたくなった。

一般に公開しているものの、僕が知らなかった屋上がいくつも載っていた。

JAビル スカイガーデン、ケアコミュニティ原宿の丘、東品川海上公園、コマツ本社ビル(赤坂二丁目)、三井住友海上ビル(神田駿河台3丁目)などなど…。

いずれ行ってみたい。

Posted by ろん