3445 バナナはおやつに入るか?
「バナナはおやつとして加えてよいか?」
この問題は、実は非常に重要な意味を持っていたということを、いまさらながら痛感することになった。
いま自分が携わっている仕事のひとつとして、会社のシステムや業務の見直しを行っている。
業務が複雑になり、システムやそれに関わる人が多くなってくると、いろいろな問題が起きてくる。
さまざまな人たちからヒアリングをしていると、共通の問題点が浮かびあがってきたように思えてきた。
それは“曖昧さ”である。
組織や組織を構成する人の役割が曖昧であるため、組織間の仕事の分担が不完全で、適切に仕事が引き継がれなかったり、本来の仕事以外の仕事に忙殺されているケースが散見されたのだ。
これは、あらかじめ仕事内容が厳密に定義されておらず、完全な現場主導だったり、“伝統”で仕事スタイルが作り上げられているために起きる。
そうして、いま目の前に起きている仕事をこなすだけで精一杯という状況が生まれてくる。
「仕事内容を厳密に定義する」と書いたが、実は、意外とこれがはっきりしていないことが多いのだ。
“あうん”であったり、“常識的な範囲”という言葉で、曖昧にされていると言っていい。
で、バナナだ。
おやつには、所持してよい上限額があり、昼食には特に上限が決められていない。
そして、最大の問題は、何をもって、おやつとするかが曖昧であることに根本的な問題があるのだ。
バナナの扱いを迷う背景には、「甘い食品はおやつでは?」という考えや、実際におやつとして食べることがあるという考えに基づくものだろう。
しかし、朝食として食べられることも多く、栄養補助食品という認識や、あくまで主食に準じたデザートとして扱いであれば、おやつの指定を免れるかもしれない。
この問題は、決して単純ではない。
今後、バナナをどう扱うか…ではなく、会社のシステムや業務の曖昧さを見直し、再検討するあいだじゅう、バナナのことが頭について離れなさそうだ。