みんなのための「石油戦略」/萩田 穣

みんなのための「石油戦略」 みんなのための「石油戦略」
萩田 穣
中経出版 2011-10-14
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東日本大震災で、ガソリンが足りなくなって、都内は大混乱になったのは記憶に新しい。

学校でも習うことだが、日本は、緊急時にそなえて備蓄をしていたはず。

長崎では、沖合に備蓄のためにタンカーがずっと停泊していた。長崎は父の実家のあって、いつもタンカーが止まっていたので、いつも気になっていたのだ。

でも、実際、あの混乱を見て分かるように、備蓄が効果的に使われることはなかった。

そもそも、原油のままではなんにもできない。

原油は、精製され、て、はじめて使えるようになるのに、消費者に届けられるまで、最速でも1ヶ月は掛かるそうだ。

さらに、今回のような震災時には、肝心の精油所が停止してしまうため、原料である原油がいくらあっても、まったく訳に立たない…ということになる。

本書によれば、日本の国家備蓄の99.7%(5000万キロリットル)が原油であり、5兆円以上の税金が使われたものの、30年以上一度も利用されたことはなく、毎年数百億円の維持費が掛かっているという。

「備えあれば憂いなし」であることは間違いないが、緊急時に役に立たないのだったら、何のために備蓄しているのだ?という疑問がわく。

長年石油業界に関わっていた著者の経験から、今後は、無駄の多い原油備蓄をやめ、半製品備蓄にすべきと説く。

話は、非常に分かりやすいのだけど、半製品備蓄にすべきという主張がこれでもかというくらい書かれていて、若干くどく感じる。

また一概に判断しかねる主張も散見される。

  • 石油は、今後、類似する資源が開発されることから、枯渇することはない。
  • 化石燃料を悪者にした地球温暖化説は捏造
  • 新エネルギーは、早すぎる。コストの高い新エネルギーのツケが企業や国民の負担となってのしかかってくる

そんななか、このような記事があった。

緊急時の石油、韓国で備蓄 経産省が計画
東日本大震災の直後に深刻な石油不足に陥ったことを受け、緊急時用の石油を韓国に備蓄する計画を経済産業省が立てていることが2日分かった。エネルギーの確保は安全保障につながる問題だけに、外国で備蓄するのは異例の試みだ。
(・・・中略・・・)
災害時には原油ではなく石油製品が必要になるが、現在、国内の備蓄172日分の大部分が原油で、ガソリンや灯油といった石油製品は44日分しかない。このため韓国での備蓄は石油製品を想定している。

国としても問題意識があることが分かったが、なぜ備蓄を日本でなく韓国で行うのかが、まったく分からなかった。

資源・エネルギー問題は、原発事故を受けて、寄り活発に議論すべきことであることは間違いない。

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