今だから話せる都営地下鉄の秘密/篠原 力

今だから話せる都営地下鉄の秘密 今だから話せる都営地下鉄の秘密
篠原 力

洋泉社 2011-09-21
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著者も冒頭で述べているが、地下鉄に関する情報は、営団(東京メトロ)ばかりで、都営地下鉄に関するものは、ほとんどなかったと言ってもいいくらい。

ちなみに、都営地下鉄とは、都営浅草線、都営三田線、都営新宿線、都営大江戸線の4路線である。

それだけに、東京都交通局に勤務していた著者が、これまでの経験で得た、さまざまな“秘密”が多数掲載されているこの本は、非常に興味深い。

都営地下鉄ならではの苦労も少なくないことが分かる。

例えば、都営地下鉄で唯一都内以外に駅のある都営新宿線本八幡駅の建設にまつわる話。

ひとつ手前の篠崎駅の開業から、全線開業までに時間が掛かったのは、都の設備を、隣県に設置するということに、東京・千葉両都県で議会の承認が必要となり、それに時間が掛かったからだそうだ。

皇居前の大手町付近で東京メトロ(旧営団)千代田線と都営三田線が並行している区間では、どちらがよりよい場所に駅を設置するか、当時、営団と都営が、丁々発止の陣取り合戦したというエピソードは、内部を知り得たものでなければ分からない。

どの路線も、現在のルートに決定するまでは、かなりの紆余曲折があった。ルート決定が大きく迷走するのはもちろん、大江戸線に至っては、一時、建設が立ち消えになりかけたそうだ。

大門駅のある大門交差点に立体交差道路の計画があり、その高架橋用の基礎を開けるために、浅草線大門駅のレイアウトに苦労したという。結局、立体交差計画は立ち消えとなり、せっかく空けた空間が無駄になってしまいかけたところ、大江戸線が大門駅に乗り入れるに際して、ちょうどそこが、連絡用の通路(階段)となったという。

蔵前駅と本郷三丁目駅は、改札を出て地上乗り換えとなっているのは、最終的には、コストの問題だったようで、担当者として残念だったそうだ。

…と、気になることを挙げていくと、この本1冊丸ごと引用しかねないので、このへんにしておく。鉄道好きはもちろん、特に都営地下鉄を利用している人におすすめの本だと思う。

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