3236 言った言わないの果てに(震災77日目)
福島第一原子力発電所で、加熱した原子炉を冷却するためのの海水注入作業が一時中断したとされる問題。
「言った言わない」で、揉めに揉めた結果、結局、中断してなかった…らしい。
こんなことは、最初から、海水注入作業を止めた人(停止ボタン?を押した人)に、「誰に指示されましたか?」と聞いて、それを順々たどっていけば、誰かにたどり着くわけで、実に簡単なことだった。
そして、ようやく、たどり着いた先が、福島第一原発の所長で、しかも、首相官邸からの指示には従わず、作業は継続していたという、なんとも、わけがわからないオチとなった。
事実の追求もできず、首相官邸の発表を鵜呑みにして、「でたらめ委員長」などと、“どや顔”で言うことが、一体何の意味があろうか?
ただ関係者に確認を取るという、それほど簡単なことすらできなかったというわけだ。
もっとも確認を取ったとしても、それが虚偽の説明となってはどうしようもない…という意見もあるかも知れない。それでも、そういった可能性も含め事実関係を把握するのが、トップに立つ者の役割ではないだろうか?
いや…
そもそも、国民は政治に対して、原子炉格納容器内の高圧蒸気を放出するベント作業を急ぐよう指示したり、回数の注入作業を指示したりすることを、求めてはいないと思う。
それこそ、専門家に任せればいい。素人の指示でできるような作業だったら、専門家はもちろん、そもそも政治家だって必要なくなってしまう。 誰だっていいのだから。
こういう、どうしようない状況を見ていると、あぁ、この程度のレベルで、政治ができるんだ…と思えてくる。いま自分のしている仕事の失敗なんて、かわいいもの…なんて、思えてきてしまう。
言った言わないの果てに残ったものは、政治に対する虚しさと、妙な自信だった。