3221 ユッケと土下座と東京電力
ユッケが原因といわれる集団食中毒事件は、現在も調査が続いている。これまで伝えられた内容からは、食品管理に重大な問題があると考えられてる。
おそらくこの焼き肉店や卸売業者だけが、こうしたずさんな管理をしていた…とは考えられず、知らないところで、同様の食中毒が起きていたに違いない…と、誰もが思うだろう。
大きく問題になっていなかった、誰も大きく取り上げなかっただけで、もしかすると、何人もの人たちが命を落としていたかもしれない。
危険というのは、本当にごく身近なところにあるんだ…とこの事件を通じて感じる。
さらに、この事件が特異に感じるのは、社長のキャラが立ちすぎているということだ。
前宮崎県知事を思い起こさせる、最初の記者会見…“逆ギレ”会見を見た上で、その後、土下座して“謝罪”している光景を見ると、非常時こそ人間性というものが現れるものだと痛感させられる。
土下座といえば、東電社長も被災者に土下座をしていた光景を思い出す。
でも、当然のことながら、この土下座自体は、何も生み出さない。
土下座は、謝罪の気持ちが高まりすぎて、表現しきれないくらいになったときに、やむにやまれず身体が動いてしまった結果の姿だと思う。
土下座している写真しか見ていないので、実際にその前にどういった経過を辿っていたのかがわからないので、なんとも言えないけど、どうもパフォーマンスというか、「土下座をしているという光景を見せるため」にしているような気がしてならないのだ。
焼き肉店は、法律で規制していなかったことに問題があるといい、東京電力は賠償負担には上限を設けてほしい…つまり国が何とかして欲しいという感じで、そうした言動を見ると、両社ともに、どこか国に責任転嫁しているうように思えてくる。
この焼き肉店も東京電力も、これからが正念場だ。おそらく、今後否応なく、その後の動向が伝えられるだろうから、じっくり見ていきたい。