3193 絶望的な気分(震災20日目)

物思いに耽る(雑感),社会・政治・事件

いまだに深刻な状況が続いている福島第一原子力発電所の事故。

「僕はものすごく原子力に詳しいんだ」

菅首相が言ったWeb魚拓によるキャッシュとされる言葉…。

さらには、首相が、この原子力発電所を視察した目的が「勉強」であったというニュースも伝わってきた。

会話や会見の中で、うまくその内容が伝わらず、結果的に、多少不適切な表現になることは、あり得ない話ではない。多少仕方がない場合もあると思う。

しかし、こういった会話は、公の場で言ったのではなく、あくまで関係者の間で話されたことなのだから、誰かが広めなければ、こうしてニュースで伝えられることはないはずだ。

しかも今回の場合は、いずれも、直接会話した人が、わざわざマスコミに話している。

これは、どういうことだろう?

僕には、明らかに悪意があるとしか思えないのだ。

もし人望があるのならば、もしこういった発言をしたとしても、わざわざマスコミに漏らすことはしないだろうし、もし話をするにしても、もう少し表現を変えると思う。

こういうニュースが伝わってるたびに、あぁ彼には人望がないんだな…と、絶望的な気分になってしまう。

また、東京電力の事故対策統合本部に「海水を早く淡水に切り替えたらどうか」とか、「水源はどうなっているのか」といった電話を、首相が直接掛けてくるという。

いくら首相が陣頭指揮を執ると言ったって、ここまで細かなことまで口を出すのはどうかと思う。

トップに立つ者は、まずは組織全体の方針や戦略を明確にし、それらを進めるための障害になることがあれば、それを取り除いたり、調整したりするのが、求められる役割だと思う。

そもそも現場の状況は、現場が一番よくわかっているはずで、それをすっ飛ばして、細かな指示を出している…なんて話を聞くと、またまた絶望的な気分になってしまう。

もし、たとえ本人に“能力”がなくても、人望があって周囲が助けてくれれば、結果的にそれなりの成果を上げられるだろうが、本人に能力がなく、また彼を助けようという気持ちが生まれてこなければ、事態は悪化の一途を辿るしかない。

いったいどうなっちゃうんだろう…

Posted by ろん