3188 夜道(震災14日目)
会社から駅まで数分ほど歩くのだが、少し考え事しながら歩いていたら、目の前に木があってビックリした。
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いつもと同じように歩いていたつもりだったのが、ほんの少しコースがずれたせいで、公園に植えられている木にぶつかりそうになったのだ。
理由は簡単。
節電のためとして、公園の多くの照明が消されてしまったために、かなり暗くなってしまったからだ。
震災後の計画停電が始まって以降、あらゆるところが暗くなった。
会社も、休日出勤してしまったんじゃないかと思えるくらい真っ暗。廊下で人とすれ違うときも、離れていると相手の表情がまったくわからず、近づいて相手が誰だかわかる。大袈裟でなく本当にそうだ。
街も看板やネオンサインが消灯したために、休業しているのかな?と思えてしまうところも多い。急ごしらえで印刷した「営業中」の貼り紙があちこちで見られるようになった。
駅もかなり薄暗い。
この薄暗い雰囲気…特に地下鉄の駅には、ちょっと身に覚えがあった。
海外の地下鉄は、どこもこんな感じだったような気がするのだ。構内全体が薄暗い。もともと照明の数が少ないのと、日本のような電照広告も少ないせいだ。
実際、かなり暗いのだけど、これで困ることは、実のところあまりない。
やっぱり、いままでの日本の地下鉄が明るすぎたのかもしれない。
将来、計画停電が終わったとしても、このままでもいいんじゃないの?と思えてくる。