3095 国の役割
尖閣諸島での漁船衝突事件を記録した映像が、動画共有サイトのYouTubeによって公開(※初稿時は“後悔”…コメント参照)されてしまったというニュースは、金曜日の朝、新聞で見て、すぐにチェックすると、バッチリ見ることができた。
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映像を見た感想は…
「あらら…」
…といった感じ。だいたい想定された光景が写っていた。
先日の、警視庁の捜査資料が漏洩していた事件にしてもそうだが、機密情報を持っていちばん危険なのは、もしかすると国なのかもしれない…なんて気がしてくる。
もっとも漁船衝突事件は、最初から国の対応がまずく、そもそもこの映像を隠していたことの方が問題だとは思うだけに、国の役割ってなんだろう?と思ってしまう。
横浜でAPECの会議が始まった。
いちばんの注目は、環太平洋パートナーシップ協定(TPP)に対する取り組みだ。これに参加することになれば、さまざまな商品に掛けられている関税が0%となる。
日本は貿易(特に輸出)で成り立っている国ということは明確なのだから、この取り組みに参加しない選択肢はないようにも思える。
かつて、牛肉オレンジ問題だとか、GATTとか、ウルグアイラウンドとか、貿易摩擦に関して話題にのぼらない日はなかったことからわかるように、貿易問題は、簡単に解決させることはできない。それだけに、今回も、参加は慎重にすべきという声もある。
しかし、先述のように日本は輸出があってこそ、成り立っている国だ。これから高齢化社会を迎えて人口が減っていくことを考えれば、より輸出に力を入れざるを得なくなる。日本経済における輸出の割合と比べて、比較にならないくらい小さい農業という産業を守るために輸出を制限させてしまう…という選択肢というのは、果たしてどうなんだろう?
たしかに、これまで、あれほど激しい議論をされていた関税が、なんと、みんな撤廃してしまえ!というのだから、以前では考えられないことではある。
でも、長い目で見たとき、日本が取るべき選択は、自国の農業をただ単純に保護するだけでいいのか?とも思う。
これもまた国の役割が問われる。