3078 ノーベル賞受賞コメントに違和感
ノーベル賞を日本人が受賞したという話題。もちろん喜ばしいことだし、同じ日本人としても、誇りに思う。
でも、その後の取材に応じた、鈴木章北海道大名誉教授のコメントには、ちょっと疑問を感じてしまった。
特に、蓮舫発言については「研究は1番でないといけない。“2位ではどうか”などというのは愚問。このようなことを言う人は科学や技術を全く知らない人だ」と厳しく批判。「科学や技術を阻害するような要因を政治家が作るのは絶対にだめで、日本の首を絞めることになる。1番になろうとしてもなかなかなれないということを、政治家の人たちも理解してほしい」と話した。
すっかり有名になった「2位じゃダメなんですか?」発言に対する批判である。
この発言は、たしかに語弊がある。しかし、ダメならダメでその理由をきちんと言うべきだと思う。この言葉を批判する人は、それができるのだろうか? なぜ2位じゃダメなのか?
教授は、彼女のことを科学や技術を全く知らない人だと切り捨てているが、日本人の多くは切り捨てられる側の方が人数が多いのではないか?…と思う。そういった人たちを「知らない人だ」と切り捨てるだけでいいのか? 理解してもらう必要はないのだろうか?
記事にするにあたって、細かな表現は端折られているかもしれないが、この記事からは、ノーベル賞を受賞する先生にしても、2位ではダメな理由を明確に説明できていない気がした。「日本の首を絞めることになる」とか「1番になろうとしてもなかなかなれない」ということでは、説明になっていない。
そう言いつつ、僕も2位ではダメ…だとは思う。
でも、1位でなければならない理由をきちんと説明ができる自信がない。
ただ、「2位じゃダメなのか?」という発言は、かなり深い意味を持つ、意義ある問題提起であったすらと思っている。
ノーベル賞を受賞するってことは、やはり1位だったから…だろうから、1位でなければ評価されない…という解釈はできるが、それでも1位でなければならない理由にはならないと思う。