2954 江戸東京たてもの園
江戸東京たてもの園(公式サイト)にやってきた。
おそらく2度目。
どんな建物があるかとか、見どころのポイントなどは公式サイトをご覧いただくとして、ここでは、手と気になったモノを簡単に紹介したい。
メインの屋外展示。最初に見学したのは、高橋是清自邸。226事件の現場となった建物だ。戦火にも耐え、よく残っていたと思う。窓ガラスも当時のままだそうで、実際に当時のガラスの品質が悪いために、表面が波打っていることがわかる。
最近、あちこちの観光地で、ボンネットバスが走るようになってきたが、それでもボンネットバスは、なかなかお目に掛かる機会がない。ここのボンネットバスもつい最近まで乗ることが出来たようだ。残念。
都電7500形電車。唯一残された都電である、荒川線では、ここで展示されている形とは違うが、同じ形式の電車が走っている。塗装も違うし、車体は新しくなっているのでわかりにくいけれど。それも、近いうち引退が決まっているので、本当に“博物館入り”する電車となってしまうのだ。
電車に掲げられていた行き先案内(サボ)は、今でも都営バス01系統として走っているルートと同じだった。
建物の見学に戻る。
銭湯の前は、“下町中通り”と呼ばれ、両脇に建物が並んでいるが、空き地と工事中の柵が目立って、パッと見た目は「古い時代にタイムスリップ…」という気はしない。
ただ、建物全体ではなく、建物の脇とか内部を見ると、かなり手の込んだ作り込みがなされていて、じっくり見ると、いろいろな発見がありそう。
作りが細かいのだ。
すべてもともと別の場所にあった建物を移築しているので、当時の状況をそのまま再現しようとしているためか、入口の門に貼られているものなども、そっくりそのまま残されている。
布団とか洗濯物とか干されていたが、雨が降るときは、ちゃんと取り込むのかな?
通りの、突き当たりに、銭湯“子宝湯”がある。唐破風造りの外観、高い天井と、富士山の絵は、東京ではおなじみで、ザ☆銭湯といった感じ。
堂々と女湯に入っても、もちろん問題なし。
空き地には、新しい建物が移築されるようだ。これが出来ると、見応えのある通りになることだろう。
たしか前回もそうだったが、どうも時間がなくて、結局、かなり早足で回ることに。
前川國男自邸は、あらためてまた訪れたかった建物だ。
日本を代表する建築家である前川國男は、たとえ名前は知らなくても彼が設計した建物を知らないという人は少ないのではないかと思う。東京文化会館(上野駅前)、紀伊國屋書店新宿店、皇居すぐ近くにある東京海上ビル、東京都美術館などを設計している。
自身の住む家も、設計している。
1942年に建てられたという自邸は、戦時中に建てられたとは思えないモダンな作りになっている。
玄関から入ってすぐ、明るく開放感ある居間は、とても過ごしやすそうだ。
台所や風呂場など、あちこち覗くたびに、70年近くたった現在でも十分通用するなぁ…と思わせる。
つまり、相当な先見の明があったということになる。当時は、どのように見られたのだろう?
前川國男自邸をあとにする。時間がないので、急いで回らなければ…
江戸時代後期に建てられた農家へ。
入口には「本日、いろりの火を焚いています」とあった。中に入ってみると、係の人がいろりのお守りをしている。
その様子を見ていると、急に風向きが変わったみたいで、煙がその人に向かって一気に流れ始め大変なことになっていた。
東武東上線ときわ台駅近くにあった「常盤台写真場」
1937年(昭和12年)に建てられたそうで、その名の通り、写真スタジオとして使われていた。スタジオは2階にある。
理由は、実際に2階のスタジオに入るとよくわかる。天井にも窓があって、とても明るいのだ。とてもよくできたスタジオだと思う。
建物以外に見どころも多い「江戸東京たてもの園」。またじっくり見学したい。