ハチはなぜ大量死したのか/ローワン・ジェイコブセン

ハチはなぜ大量死したのか ハチはなぜ大量死したのか
中里 京子

文藝春秋 2009-01-27
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2006年11月。

フロリダの養蜂家が、ある異変に気づいたことから事件は明るみに出る。本来無数に飛び交っているべき蜂が極端に少なくなっていた。女王バチと大量の蜂蜜だけ残し、働き蜂は忽然と姿を消していたのだ。

この異常な状態は、全世界に広がり、2007年春までに4分の1もの蜂が消えてしまう。

さまざまな原因が考えられた。ウィルス説、遺伝子組み換え作物説、携帯電話の電磁波説、地球温暖化説…と、あらゆる原因が取りざたされる。しかし、いずれも決定打に欠けるものばかり。

さまざまな研究から原因の一端が見えてくる。それは、“中国”そして“農薬”だった。

読みながら、「あちらを立てればこちらが立たず」…という言葉が頭をよぎる

何か問題が起きたら、必ずその原因がある。そしてその原因を取り除けば問題は解決するはず…だ。蜂が消えたという問題にしても、同じだ。しかし、世の中が複雑になり、問題と原因がそのまま結びつかなくなってきているのと同じように、この問題も、原因は1つではなかったのだ。

たとえば、原因の一つ、農薬。農薬は許容量が決まっているが、複数の農薬が組み合わさったときのことまで考えられてはいない。ある農薬だけで判断すれば無害であっても、他の農薬と組み合わせてしまうと、問題が起きてしまう。

自分たちの食卓に乗っているあらゆる果実は、すべて蜂がもたらしたものだと言われると、その働きぶりを実感させられたし、以前「風の中のマリア」という本を読んで、驚くべき蜂の生態を知ることができたが、本書でも、聡明で絶妙なバランスの上に成り立っている蜂と植物との共生を知ることができた。

ただ、翻訳本ならではというか、著者の言い回りぶりが独特というか、クドさがやたらと目に付く。

たとえば、単純に、新しい蜂の飼育方法に気づいたと書けばいいのに…

牧師の脳の神経細胞が思考爆弾を炸裂させて以来、蜂を飼う方法は根底からくつがえされてしまった。(p.40)

必要以上に文章を引き延ばしている感じで、読みにくい。蜂の失踪原因を追いつめていく感じは楽しいが、このクドさでそれも半減してしまいそうだった。

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