団地ノ記憶/照井 啓太

団地ノ記憶 団地ノ記憶

洋泉社 2008-03-31
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かつて「団地の研究が趣味です」なんて、表だって言う人なんて皆無だった。

団地や工場、廃墟などが、“趣味”として確立していったのは、なんとなく感覚的には、鉄道趣味が、若い女性にも広まっていくくらいの時期と一致している気がする。

もともと趣味というのは、個人的に楽しめばよいのであって、公言する必要もないのだが、ふとしたことで趣味や嗜好がバレてしまうことはある。そんなとき、「団地にも興味があります」と言っても、必ずしも“ちょっと変わった”趣味として括られなくなったのは、時代の変化として喜ばしい。

冒頭から話がずれた。

僕自身は別に団地見学が趣味というほどではないが、実際に団地を目の当たりにしたり、こうした写真集があると手に取ってしまう。関心はあるのだ。

団地で暮らしたことはないが、以前は近所のあちこちで見かけたし、幼い頃遊びに行ったこともある。そういうこともあってか、団地はとても身近な存在だった。

その一方で、廃墟化した団地もよく“探検”していたせいか、団地というものには、身近さと怖さが同居した思いがある。

そんな思いをしながらページをめくる。

団地は、いま次々と取り壊されている。取り壊し済みと書かれた団地もいくつか載っていた。

そう遠くない将来、写真集か人々の記憶にしか残らない存在になっていくのだろうか?

この本では、全国の団地を美しい写真とともに、団地歩きの楽しみ方、モデルコース、見どころなどが紹介されている。団地にちょっとでも興味がある人にとっては、本書はよい入門書になるだろう。

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