2858 マッキアイオーリ展(東京都庭園美術館)

芸術・デザイン

東京都庭園美術館で開かれていた「マッキアイオーリ展(キャッシュ)という展覧会を見に行く。

もちろん?始めて聞く名前。Wikipedia日本語版ですら出てこないほど、まだ日本ではメジャーではないのかも。美術館のサイトによれば…マッキアイオーリというのは、人じゃなく…

イタリア語で「マッキア派の画家たち」を意味する“マッキアイオーリ”とは、1850年代から60年代にかけてフィレンツェを中心とするトスカーナ地方で活躍した、先鋭的な画家たちのグループの呼称です。

フィレンツェにあった、カフェミケランジェロに集まった若い画家が、伝統的な画法を捨て、「マッキア(斑点)」を使った新しい絵画技法を生み出したという。

ふと、トキワ荘に集まった若き漫画家たち…みたいなことを思い出した。若井内に、こうして互いに切磋琢磨するって大事なのだ。

今朝からあいにくの天気だし、もともと日本ではあまり有名ではない展覧会だから、お客さんはそれほどいないだろう…と思ったら、そんなことはなくて、お客さんが滞留してしまった絵のところでは、かなりの人だかりができていた。

展示されていた絵は、イタリアらしい明るさと、陰を強調したコントラストが印象的な絵が多かった気がする。太陽の光の強さや夏の熱気などが伝わってくる絵がいい。

このマッキアイオーリと呼ばれる語源となった「斑点を使った技法」は、結局最後まで見つけることはできなかった。そもそも「この部分で使われてますよ」みたいな説明はなく、もう少しわかりやすい解説があってもよかった気がする。

また、とにかく、残念なのは難しい展覧会にもかかわらず、作品リストはないわ、音声ガイドはないわ、ポストカードはないわ…とないないづくしだったということ。絵の脇には、比較的しっかりとした解説文が付けられていたが、文字が小さい上に、書いていることが難しくて、読みくたびれてしまった。

それに、この美術館特有の問題だが…アールデコの雰囲気と相まって、雰囲気のいい美術館であることは間違いないが、元は個人の邸宅だから、基本的に展示室は広くない。絵と絵の距離が近いのだ。だから、狭い展示室に少しでも人が増えると、別々の絵を見ているにもかかわらず、他の鑑賞者が邪魔で見えないということが起きる。

まったく知らない作家や時代の絵は、新鮮な気持ちで見ることができるので、有名な作品と違った楽しみ方ができる。今回もそんな感じだった。

Posted by ろん