のうだま/上大岡 トメ・池谷 裕二
のうだま―やる気の秘密
幻冬舎 2008-12 |
三日坊主…誰でも経験があることだろう。僕も正直しょっちゅうある。
これは実は性格の問題ではなく、“飽きる”というのは、そもそも脳の機能なのだそうだ。
脳は一度見たものを馴化(じゅんか)して、「当たり前のもの」とする。馴化=マンネリ化であり、その結果、それを「飽きて止めてしまう」か「慣れて習慣化する」かの違いでしかない。
まぁ、その違いが大きいわけだが、どうしたら飽きて止めてしまうのではなく、慣れて習慣化できるのか? 続けるコツはどこにあるのか? というのが、この本の見どころ。
また、しなければならないことがあるのに、なかなかやる気が出ない…そんなこともしょっちゅうだ。
で、なんとか踏ん切りを付けて、思い切って始めてみると、けっこう、うまくできたりすることもある…
これは、どうやら偶然ではなく、カラダからの刺激を受けて脳は活動を始めるのだそうだ。
「朝、カラダを起こすから、起きるんです。テレビを見て笑うから、面白いんです。泣くから悲しいんです。カラダは反射。でもカラダが動くことで脳がつられて、『あぁ、そうなんだ』ということになる」
なるほど“脳をだます”から“のうだま”か。
そして、そのやる気を生み出すのが、淡蒼球という脳の部位。この淡蒼球のもつやる気にスイッチを入れる方法が16個挙げてある。
- 最初の目標は小さくする
- 腹八分目でやめる
- ごほうびを用意する
- 同じ時間にやる
- カタチから入る
…などなど。
それらを20回続けてみることで、やる気を生み出し継続することができるという。
いずれも、実はそんなに変わったことではなく、むしろこれまでも言われてきたことばかりだ。でも、どれもきちんとした理由があるわけで、理解した上で取り組んでみると、結果は自ずと変わってくるはずだ。
気楽に読めるイラストと、納得できる裏付け(解説)で、どの話もすーっと頭に入ってくる。すぐに三日坊主で困っている人、なかなかやる気が起きない人は必読の本だと思う。
読み終えてみて、ふと、僕がしたいことって、そもそも“これといってない”ことに気がついた。
まずは、したいことをなにか見つけなきゃ。