2784 忘れ物ふたたび
昨日出掛けた記録を調べながら、写真を見ていたら、ふと買ったお土産が、どこに行ったかわからなくなっていることに気づいた。
また忘れ物をしたのだ。
今度は、特急ロマンスカーに。
実は、もともと心当たりはあったのだ。
忘れないようにひとつの鞄に入れようとしたのだけど、倒さないようにという注意書きを見てあえて袋を分けてしまったのだ。さらに特急の荷物置き場は、網棚のように下からは見えないため、確認しようにも見ただけではわからない。…つまり、忘れてしまう条件が揃ってしまった。(かなりのいいわけだけど)
小田急お客様センターに電話する。新宿駅で忘れたことや、乗車した列車名と号車番号などを伝える。もちろん、忘れた品物が、プリンだということも。
見かけの特徴や袋の中身の状態などを聞かれる。
しばらく待つと、それはすぐに見つかった。
「海老名にあります」
海老名?? 新宿じゃないんだ…
持ってきてくれないかなぁ…と暗ににおわせながら、お金がかかるんじゃないか?みたいなことを言ってみる。
実は忘れ物を取りに行くだけの場合は、運賃は掛からないことは知っていたが、あえて聞いてみた。やはり無駄な抵抗のようで、直接行っていただく際には、運賃は頂きませんので大丈夫です…みたいなことを言われる。
もう行くしかない。
駅からハイキングを終えて、遅めの昼食のあと、新宿駅へ。
駅で事情を説明すると、「お戻りはどちらになりますか?」と聞かれた。どうも、必ず新宿に戻ってこなければならないということでもないようだ。新宿に戻る旨を伝えると、「お忘れ物お引き取り乗車票」というものを渡される。これで海老名まで行ってそのまま戻って来てくださいとのこと。
昨日箱根に向かった同じルートをふたたび通るとは思わなかった。
雨がひどくなる。
海老名に着くとすぐに、落とし物窓口があったので、係員を呼び出す。
電話受付時に、受付番号を教えてもらっていたので、それを伝えようとしたら、まず品物名を教えてほしいという。
プリンというとすぐにわかったようで、持ってきてくれた。約24時間ぶりの再会である。
無事に受け取り、また電車に乗ろうとしたところで、おじゃこから電話。時刻表を見て、ちょうど海老名についているであろうということを、わかった上で電話したらしい。さすが、時刻表の見方を知っているだけのことはある。
しかし、本当の悲劇というものは思わぬところに潜んでいるものだ。
雨で折り畳み傘を手に持っていた上に、鞄、いま受け取ったばかりのプリン、そこに電話をしてしまったことで、手が滑り、プリンを落としてしまったのだ…。
家に帰って、おそるおそる開けてみると、やはり、ふたが外れ、中からカラメルがはみ出してしまうという状態だった。
見た目はひどい状態だったが、もともとの味がいいせいか、とても美味しくいただくことができた。2個600円の商品を受け取るだけで、新宿までの交通費(300円)と2時間半もの時間を掛けてしまった。
これは、もはや僕の意地でもあった。