2736 ホーバークラフト初乗船
実は、今回の旅行の非常に重要な部分を占めていたのが、ホーバークラフトに乗ることだった。ホーバークラフトは、特性上、平坦な地上と水上を分け隔てなく進むことができる乗りもの。
大分ホーバーフェリーは、大分空港から大分市内までを結ぶ実は日本で唯一運行されているホーバークラフトだ。大分空港と大分市は別府湾を挟んでいるために、道路ではぐるっと迂回する必要がある。そのため、海路でショートカットすれば、かなりの時間短縮になるわけだ。
空港のターミナルビルから連絡通路を通って、ホーバークラフトの乗り場(待合室)へ。
連絡通路から乗るホーバークラフトが見えた。
乗り場(待合室)は、まるで小さな駅のような感じ。
乗船券を買おうとしたら、ドリーム4枚券(9,600円) なる回数券が売られていた。
これを利用すれば、通常2,980円のところ、2,400円で乗ることができる。もちろん、ドリーム4枚券を窓口で、その回数券を買おうとすると「今月いっぱいまでしか使えませんが、よろしいですか?」と聞かれる。
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この回数券は、無期限で使用できると書かれていたのに…もちろん、明後日には帰るのだから問題なかったが、窓口に書かれていた貼り紙を見て驚いた。
なんと、先月末で倒産してしまったのだ。そして、ホーバークラフトも今月いっぱいで運行を取りやめるという。
まぁ実は理由は、推して知るべし。
空港リムジンバスで1時間かかるところを、ホーバークラフトだと29分で着く。早い。しかし着く場所が問題なのだ。着く港は町のはずれにあり、そこから連絡バスに乗らないと、大分の中心部には行けない。大分駅には港から連絡バスで16分かかる。
ホーバークラフトの到着にあわせて、連絡バスがすぐに出発するが、乗車時間だけでもあわせて45分。空港リムジンバスは多少時間がかかると言っても1時間で着くし、そもそも運賃は半分なので、このご時世だと勝負あったって感じだ。
かつては、映画 釣りバカ日誌 で、舞台になったこともあるらしい。
2台あったホーバークラフトのうち、乗るのは奥の方らしい。手前のホーバーは、スカートがぺちゃんこになっていた。
改札口を通ると、地上を歩いてホーバーのタラップへ。エンジン音とタラップを上がる雰囲気は、まるで飛行機だ。
まっすぐに伸びるコンクリートの道は、なんだか滑走路にも見えてくる。
このまま前に進んでいくのはちょっと不思議な感じ。
写真を撮る人の姿があちこちに見えた。やはり、運行停止を惜しむ人たちが大勢いるということか。
走り始めるとき、ふわっと浮き上がったかと思うと、なんの振動もなく、するすると前に進んでいった。
さらに、海までの陸上の航走路はS字カーブしていて、そこを真横に走行するのだ。これは、ホーバーの特性上らしく、このことについて船内で説明があった。
海に出る瞬間は、ほとんど衝撃もなく、いつの間にか海に出た感じだった。みるみるうちにスピードを上げる。次々と船を抜かしていく。ただ窓ガラスに水しぶきが当たるので景色はあまりよく見えない。
海からの軽い振動を受けながら、30分弱のホーバーの旅は終わった。
大分側の乗り場では、連絡バスが待っていて、乗り込んだらすぐに出発した。もうちょっとゆっくり写真を撮りたかったが、もしこのバスを逃すと、タクシーで移動するしか方法がなくなるので、かなり慌ただしい。
今回たまたま廃止直前となってしまったが、乗ることができて本当に良かった。