2724 横須賀ストーリー
昨晩は片づけで遅くまで起きていたが、比較的朝早く目が覚めたこともあって、急遽、以前話題にしていた、千葉県にある鋸山に行くことにした。
鋸山は、千葉県で最も高い山かと思ったらそうではないらしいが、眺望はとてもすばらしい。
以前も行ったこともあったが、前回はロープウェーで往復しただけだったので、山頂付近を散策しようということに。
「東京湾フェリー往復きっぷ」を買って、品川駅から京浜急行で久里浜(神奈川県横須賀市)に向かう。そこからバスに乗って久里浜港へ。さらに東京湾フェリーで、東京湾を横断し、千葉県富津市にある金谷港まで行く。そこからロープウェイで鋸山山頂に向かうというルートだ。
品川から快特久里浜行きに乗る。結構混雑しているが、何とか座れたので、このまま久里浜まで…と思ったが、横浜到着直前に…
「金沢文庫駅構内でポイント故障が発生した関係で、運転を見合わせます」
またかいっ!
結局、横浜駅で事実上強制的に降ろされてしまったため、先日伊東に行ったときと同様に、振替乗車券を手に、横須賀線電車に乗ることに…本来行くことのない駅を乗り継いで…
なぜか、逗子。
そして、横須賀。
逗子で、さらにJR久里浜行きの電車を待ったが、せっかくだから…と横須賀で途中下車することにした。そのまま久里浜まで行ってもよかったが、せっかくだからと、横須賀で降りて、ちょっと歩いて京浜急行に乗り換えることにした。
実は、これが悲劇の始まりだった。
横須賀は、軍港として栄えた街で、駅もかなり古く、歴史を感じさせる。駅からすぐに港が見える。きれいな公園が整備されていて、軍艦はもちろん、潜水艦がぬっと浮かんでいるのもおもしろい。
とりあえず京浜急行の横須賀中央駅に向かって歩く。
横須賀と言えば、カレーだ。どこかカレーのお店でもないかな?と歩いてみる。
知らず知らずのうちに、どぶ板通りを歩いていた。やはりかつては主に、米兵相手の商売をしていたということもあって、独特の雰囲気。もうちょっとぶらぶらしてみたかったが、あまり時間はないので、先を急ぐ。
名物というくらいだから、簡単に見つかるかと思ったがみたが、探すとなかなか見つからないものだ。
京急の横須賀中央駅に着いてしまった。
このまま電車に乗ってもよかったが、ここで横須賀を離れるのも惜しい。駅に併設されていた旅行センターの人に、カレーが食べられるところはないかと質問。駅からほど近いところに、観光案内所とカレー屋が併設されているところがあるという情報を入手。
さっそく向かってみると、横須賀海軍カレー本舗というお店があった。
1階が観光案内所とお土産屋、2階がカレー屋になっていた。カレー屋は満席で、待っている人たちも多そうだったが、カレーという商品を考えたら、回転率は早いだろうし、観光案内所で他の店を探すより、ここで待っている方が得策と判断した。
しばらく待っている間、お店やその周辺あたりを見て回る。
すぐ隣には、CoCo壱番屋があった。さすがに横須賀まで来て、ココイチのカレーっていうこともないだろうと思ったが、あとから調べてみると、“横須賀限定カレー”もあったらしい。もっと、興味深かったのは、店頭に1$=80円と書かれ、この店では、ドルでもカレーが買えるということだった。
お店に戻る。
お土産物屋の方も繁盛しているようで、待っている間にもかなりのお客さんがやってきた。
レジの裏には、おそらく緊急連絡先一覧であろう、リストが貼ってあった。1番目、2番目は、まぁいいとしても3番目が警察というのも、なんだかすごい。
ようやく自分たちの名前が呼ばれ、2階に案内される。
店内に入って驚いたのは、空席が多かったということだ。これだけたくさんの人が待っているのに、うまく処理し切れていない感じがする。
さらに驚いたのは、頼んでから注文をした品が出てくるまでにも、かなり時間が掛かっているということだった。
カレーでしょ? どうして時間が掛かるのだろう? この待たされてしまったことも、あとで悲劇を生む原因となる。
ようやく出てきた、ビーフカレーと黒カレー。横須賀のカレーは、サラダと合わせて、牛乳が出るらしい。
ビーフカレーは、こくがあって美味しかった。おじゃこ曰く、“優しい味”。黒カレーは苦みが特徴のようで、これはこれで美味しかったが、やはりオーソドックスなのがいいかも。
店を出て、再び、横須賀中央駅に向かう。
まだ振替輸送を実施しているようだ。
京急の列車接近メロディは、その駅の特徴にあわせているが、横須賀駅は、山口百恵の「横須賀ストーリー」。タイトルを知らなくても、
♪これっきり、これっきり、もう これっきりですか…?
と聞けば、すぐにわかるだろう。メロディが流れると、、つい心の中で歌ってしまう。
やって来た電車は3分ほど遅れての到着だった。これもまた、あとで悲劇を生むことになる。
ようやく、京急久里浜駅に到着。
ここからはバスに乗り換える。フェリー40分ごとに出航していて、バスもだいたいそれにあわせる感じで出発しているので、あまり時間を気にしていなかった。
バス停に着いてみると、結構たくさんの人たちが並んでいたから、もうすぐにバスがくると思ったが、時刻表を見てみると、バスは2分前!に行ったばかりだった。
次のバスは、実に20分以上も待たなければならないことがわかった。
そこからもちょうどタイミングが悪く、次のバスで久里浜港に着いても、フェリーの出航時刻まで20分以上待つことになりそうだった。
- 横須賀で降りなければ…
- カレーがもうちょっと早く出てきたら…
- 3分も遅れていなかったら…
- そもそもポイント故障などしていなければ…
残念なこともいろいろあったが、今回はここで引き返すことにした。
プラットホームに戻って、品川方面行きの電車を待つ。
差し込む日差しは暖かいものの、空や空気は確実に秋だった。
そこに、山口百恵が歌った「秋桜」が流れてきた。京急久里浜駅の列車接近メロディだ。心の中で歌った。
♪うす紅の秋桜が秋の日の、何気ない日だまりに揺れている…
「横須賀ストーリー」といい「秋桜」といい、いまの自分たちの思いを象徴しているかのような選曲?に、笑ってしまった。
これっきりではなく、いつかまたリベンジしようと、心に決めて…、久里浜を発った。
おまけ、その1
横須賀の商店街で買った、和菓子の“若鮎”
なんと69円!
おまけ、その2
撮影の失敗はよくあることで、そんな写真はあまり公開しないのだけど、今回、あまりに寂しい幕切れだったということもあって?、初公開。
ココイチでカレーがドルで買えるという話を紹介したが、その証拠として写真を撮ったものの、すっかりぶれてしまっている。ぶれなかったとしても、右の写真のように自分のイメージしている風景に、他人が入り込んでしまう場合もあって、旅同様、思うようにいかないものだ。