コンビニのレジから見た日本人/竹内 稔

■ビジネス・経済, 龍的図書館

4785503300 コンビニのレジから見た日本人
竹内 稔

商業界 2008-06-24
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長くコンビニ業界に身を置いてきた筆者が、来店客を通じて、いまの“日本人”の様子を熱く語っている。

とにかく「ひどい」のひとことに尽きる事例が数多く挙げられている。

ずいぶん以前から、家庭用のゴミをコンビニに持ち込んで問題になっているが、悪化の一途を辿っているという。ありとあらゆるゴミが持ち込まれているそうだ。散歩の途中でした犬の糞を回収したのはいいが、それをコンビニのゴミ箱に入れる主婦。コンクリートの破壊片を流し込もうとする建設作業員。
火のついたタバコをそのままゴミ箱に入れ、ゴミ箱が燃えるという事故は、あとを絶たないという。

「お客はもう、タダでものをもらうことに慣れ切ってしまった」

試食品や試供品を無料で配るのもコンビニではよくあることだ。はじめはありがたがられたものが、いつしか当たり前になり、そうした配布がなくなってしまうと客には「なぜなにももらえないのか?」しまいには「サービスが悪い」と受け止められてしまう。

セルフサービスであるにも関わらず「FAX用の紙をくれ」、「ボールペンを貸せ」、「ホッチキスを出せ」、「この一部分をコピーして」、「自分がまた店に戻るまでに300枚コピーしておいて」などなど、にわかには信じられない要求をする客は、決して少なくないのだ。

さらに、コンビニのトイレが公衆便所よりもひどい扱いを受けているという現実は、心当たりがある。かつては特別なサービスであった、トイレの開放(貸出)も、いまでは当たり前のサービスになってきたが、その一方で、あまりに使い方がひどいために、使用禁止にしているコンビニも最近見かけるようになった。

道の教え方が悪いとクレームを入れる。

まるでコンビニ従業員を見下しているような「あのさぁ…」「ねぇ…」といったタメ口。

レシートをカウンターに放り投げる。お金を撒き散らすように投げる。

レシートを渡そうとすると、受け取らず、すっと手を引く。声すら出さない。

最近の客は自己主張ばかりで、謙虚さが失われていると著者は指摘する。たしかに、そういった光景は、実際によく目にするから、相当腹に据えかねているのかもしれないし、多くの部分で同情してしまう。

でも、どうしても気になる記述があった。

男権論者と言ってはばからない著者。男性らしさ、女性らしさが失われている。買い物くらい、最後は男性が買う物を決めるべきだという。そして…

愛嬌さえあれば世間を渡っていけるというのは、やはり女性の特権である(p..164)

二十数年以上のコンビニ経験が著者をそうした考え方に向かわせたのかもしれない。本書の大部分を占めた“愚痴”を見ると、著者は横暴なコンビニ客の“被害者”なのかもしれないと、思ってしまった。