2591 ブルートレインの思い出

鉄道

まぁこれも時代だから…と軽く流してた、「はやぶさ」・「富士」廃止のニュース。これで東京発のブルートレインが全廃となる。

ふと「いよいよ今日で無くなるんだ…」とあらためて思った瞬間、急に淋しさがこみ上げてきた。

2005年に廃止されてしまったブルートレイン“さくら”には父の実家のある長崎へ向かうために、家族で何度も利用したことがある。

“さくら”廃止のときに連結していたのが、今日廃止になった“はやぶさ”だった。“さくら”廃止後、連結相手を失った“はやぶさ”は、“富士”連結して今日まで走り続けてきた。

いまはなき、東京発のブルートレイン(写真は“さくら”)
写真は4年前の“さくら”

ご存じの通り? 僕は幼いころから鉄道が好きで、ブルートレインに乗ることは最上の楽しみだった。

だいぶ忘れかけてしまっているが、かつて連結されていた食堂車で食事をしたこともある。食堂車で、はっきり覚えているのは、頼んだはずの注文が、家族の分は運ばれたのに、僕の分だけ運ばれてこなかったということだけだ。

なぜか奮発して?A個室寝台(グリーン車に相当)に乗ったことや、いまはなき3段寝台に乗ったのも覚えている。

そして一番良く覚えているのが、乗っていること自体に“飽きた”ことだった。

前日の夜出発したブルートレインは、翌朝ようやく九州に入っても、終点の長崎まではまだ数時間先(到着は昼過ぎ)という、ずいぶんのんびりとした旅を続ける。子供だった僕は、前日からの興奮がそう長く続くはずもなく、やることがなくなってすっかり飽きてしまうのだ。子供にとって、狭い車内はかなりつらい。しまいには、列車の揺れに酔ってしまう始末。

ブルートレインは、何度乗ってもそうだったのに、またなぜか乗りたくなる不思議な乗り物だった。

その後、ひとりでどこでも出掛けられるような大学生のころは、あまりお金がないものだから、旅行で“ブルートレイン”という選択肢はなく、ある程度お金を使うことができる社会人になったら、今度は旅行そのものの時間が取れなくなった。

「いつかは乗ろう」…と思いながらも、願いは果たせず、今日を迎えてしまった。寂しいけれど、これが現実。

Posted by ろん