2529 思考が検索に置き換わっている
いま図書館で借りた「検索バカ」という本を読んでいる。この本のタイトルを見ただけで、ハッとさせられたことがあった。
インターネットの普及で、考える前に検索して済ませてしまうことが多くなっているのではないかという指摘だ。
インターネット、そしてインターネットに接続できる携帯電話の普及は、それこそいつでもどこでも検索することを可能にした。それは、日頃、さまざまなことを疑問に持つ僕にとって、モヤモヤとした状態からすぐに抜け出せる夢のような環境だ。
しかし、疑問に思ったらすぐに検索してしまうことで、その間には、考えるというプロセスがないことになる。
もちろん、考えたって知らないものは知らないということもあるだろう。でもそうした、ちょっと考えるという段階を踏まないということ自体、些細な問題ではないような気がする。
パソコンが日常の道具になってから、漢字が書けなくなってしまった人は少なくないはずだ。それは漢字を書くという行為が、パソコンに置き換わってしまったのが原因だが、それと同じで、思考が検索に置き換わってしまうということは、単に漢字か思い出せないのとは、次元の違う問題のような気がするのだ。