2517 駅からハイキング-目白

旅行・見学・イベント

都区内開催の駅からハイキングに参加したのは、久しぶりのような気がする。山手線目白駅を発着する「自然と文化、緑に囲まれた目白周辺を散策」というコース。例によって今回もほとんどの場所はこれまで行ったことはあるが、運動のためにも頑張って歩くことにした。

池袋と新宿という巨大な街に挟まれたこの地域は、コース名の通り緑が多く、さらに起伏も激しいので、何度も坂を上り下りすることになる。目白駅を出発すると、すぐに階段を下りて駅の裏手に回る。しばらくは住宅街の中を歩く。

突然路の真ん中に一本の木が。完全に道路をふさぐようにして立っているこの木は、当然この道路ができる前からあるのだろうが、なぜ切られることなく、このままでいられているのかは謎。こんな感じで木があると、ここを走る車はスピードの出し過ぎることもないだろう。不思議なことに道路の真ん中に立っているのに、案外と見通しは悪くない。絶妙なのだ。

おとめ山公園というところにやってきた。なんともかわいらしい名前だと思ったら、かつて将軍家の狩猟地で立ち入り禁止であったことから、「御留山」というのがその由来らしい。乙女じゃないんだ…。起伏に富んだ公園で、かなりうっそうとしている。湧き水が多く、ホタルの養殖も行われているらしい。

前回もたしか駅からハイキングがきっかけで来たような気がするが、記憶は定かではない。住宅地の真ん中にある本格的な回遊式の日本庭園。もう一部の木は紅葉しはじめ、天気はいいものの、ちょっと風が吹くと肌寒さを感じる。

目白庭園にいると、遠くに踏切の音と電車の走る音が聞こえる。西武池袋線が近くを走っている。西武線の踏切と山手線と埼京線の跨線橋を渡って、山手線の内側に入る。

鬼子母神に着く。鬼という字をよく見ると、上に点がない。あれ?と思って調べてみると、こんな由来があった。

鬼子母神は、500人の子どもの母親であったにもかかわらず、人間の子どもを食べてしまうという鬼のような神様であったそうだ。それを憂いたお釈迦様が、鬼子母神の一番大事な子どもを隠してしまったところ、鬼子母神はひどく嘆き悲しんだという。お釈迦様に助けを求めると、これまでのやってきたことはこれと同じことだと諭すと、鬼子母神は改心する。もはや鬼ではなくなったことから、「ツノ」をなくした“鬼”という文字を使うようになったらしい。

由来に合わせてそれを表す文字まで変わってしまうなんて日本語らしい。

突然、頭上から何かが次々と落下してきて、かなりビックリした。地面に落ちたその何かは、ボトッ、ボトッ…っと音を立て転がっていった。

銀杏の実だ。見上げてみると、かなりの大きさのある木で、その高さから落ちてくるのだがら、もし当たったら結構痛そうだ。強い風が吹くたびに、あちこちでボトッ、ボトッ…っと音がする。

鬼子母神からは指定されたコースを外れ、独自に歩いていく。しばらく歩くと見晴らしのよい場所に出た。急坂で二手に道路が分かれている。右の道のはるか先には、新宿の超高層ビル群が見える。左側の道は地図を見ると、狭いこの道路が区界になっているようで、右側が豊島区、左側が文京区になっている。区界の道を歩いていく。

新江戸川公園という公園にやってきた。ここは初めて来たような気がする。“新”があるということは、新の付かない「江戸川公園」というのもあるのだろう。新しいというわりには、かなり本格的な庭園で、森になっているような木々で外界とは一切遮断されている。案内によれば、ここは旧細川家下屋敷の庭園の跡地をそのまま公園にしたのだそうだが、だったら、「新江戸川公園」なんてどこかの駅名みたいな無機的なものではなく、それらしい名前にすればいいのに…なんて思った。

「東京カテドラル聖マリア大聖堂」は、近くまで来るたびに見学しようと思っているものの、そのときはたいていなんらかのイベントをやっているため、内部を見学することができない。今日も、結婚式のため、やはり見学はできなかった。しかし、風は強かったものの、天気は良く雲ひとつなかったので、空の青とのコントラストがよく映える写真を撮ることができた。

ようやく目白駅すぐ近くまでやってきた。学習院大学は、今日は学園祭ということで、ふだんは入ることのできない学内を散策することができるようになっていた。ただ今日はもう疲れていたこともあって、ちょっと見学しただけで、早々にゴールの目白駅に向かった。

あること自体はなんとかなるのだけど、終わった直後から、日頃の運動不足のせいか、きまってある種の脱力感にさいなまれる。本当の体力をつけるには、もっと別のことをしなけりゃならないのかもしれないが、それはまた今度・・・。

Posted by ろん