2512 久しぶりの駅からハイキング-桶川
かなり久しぶりに駅からハイキングに出掛けてきた。場所は埼玉県桶川市。かつて住んでいた川越からはバスが走っているので、ときどき地名は目にしたものの、ふだん全く縁のない街だ。
乗り継いだ赤羽駅から、快速“アーバン”で約30分で、高崎線桶川駅に着く。
かつては、中山道の宿場町として栄えたといわれているが、駅もその周辺も、「これといって特筆すべきところがない」と言いたくなるような、まるで印象の残らない雰囲気に、かえってビックリする。
あとで調べてみたら、今回歩く方向とは反対側の、桶川駅東口に旧中山道が通っているとのことで、なんにもないのは致し方あるまい。
東京のベットタウンとして、スーパーや公園など、とりあえず生活には不自由しなさそうだ。
しばらく歩くと、視界が開けてくる。
埼玉県立桶川西高校にやってきた。
「ハートフル桶西水族館」という、全国に2つしかないという高校水族館がある。“2つしかない”というところがなんだか残念だが、珍しいことは確かだ。
駅からハイキングの人たちが一気にやってくるものだから、入口は長蛇の列。しばらく待ってようやく入ってみると、そこは懐かしい理科とか化学や物理といった“実験室”だった。
水族館は、高校生たちが中心となって管理運営をしていて、来訪者への案内や解説なども高校生がやっているようだし、水族館のポスターは、高校のパソコン部が作っている。こうした施設があるおかげで、ふつうの授業では学べないようなことが学べて、よい試みだと思った。
机の下の椅子も懐かしい。理科室とか家庭科室、美術室では、たいていこういう椅子だった。
今回の駅からハイキングは、JRの社員やJRから派遣されたアルバイトの人たちは、まったくと言っていいほどいなくて、ほとんどが、おそらく地元のボランティアの方々だった。
今回のコースの“目玉”のひとつである、泉福寺にやってきた。
ふだんは公開していない「国宝」(実際は、重要文化財?)の阿弥陀如来像が公開されている。
阿弥陀如来像は、この収納庫に収められているようだが、言われてみなければ絶対にわからないくらい目立たない小さな建物だ。
ありがたく拝ませてもらう。
さらに歩いていくと、遠くから笛の音がしてきた。
神社の境内に人だかりができている。お祭りのようだ。
駅からハイキングで配られた地図によれば、「三田原のささら獅子舞」というものらしく、お面をかぶった獅子が、なんとも言えない奇声をあげながら踊っていた。詳しく調べてみようとしたが、桶川市指定の無形文化財に指定されているということくらいしかわからなかった。
指定のコースをちゃんとたどると、15kmもあって、久しぶりに歩くにはハードすぎるため、今回は途中でショートカットすることにした。
本来のルートではないので、こんな未開通の道路を歩いて帰る。
空を見上げると、ここからすぐ近くにある、ホンダエアポートから飛び立ったセスナ機が見えた。ホンダエアポートは、日本で唯一の飛行船の基地になっていて、遊覧飛行もできるのだけど、人気ですぐに売り切れてしまう。
ちなみに、今回歩いたコースの足元には、ドングリやクリ、そして飛行船をイメージしたマンホールなんかもあった。