2404 400億円

社会・政治・事件

経営不振に陥っている新銀行東京。東京都の出資比率は80%以上の筆頭株主だ。設立後、たったの3年で、東京都が出資した1,000億円が消えてなくなり、「この銀行をつぶせば、広範囲に甚大な影響が及ぶ」という石原慎太郎知事の言われるがまま、さらに400億円の追加融資を事実上決めた。

この400億円の行方について、誰もが思っていることはおそらく同じだと思う。

そう「二度と返ってはこない」ということだ。そして、将来、すでに出資した1,000億円はもちろん、追加で出資する今回出資した400億円、そして追加でさらに出資する必要に迫られることになるような気がする。

もし本当に3年間で単年度黒字を目指すつもりであれば、これまでの経営を徹底的に見直し、よほどの方策がなければ、復活することは難しいだろう。しかし経営不振に陥った原因を旧経営陣の経営方針に押しつけるだけでは、見通しは暗い。

一部のマスコミも主張しているように、もうこの銀行の役目は終わったと考えて、清算する方向で検討すべきだ。この400億円の中には、都民である僕が支払った税金も含まれているはず。ひとことくらい言ったって罰は当たるまい。

「私が社長ならもっと大きな銀行にしていた」なんてくだらないことを言う石原慎太郎都知事は、ようやく今日陳謝したようだが、そんな知事を追究できない都議会議員は、今の事態を本当に理解しているのだろうか? それでも石原知事に“ついていきたい”のだろうか?

以前から、石原知事はあまり好きではないし、これまで選挙でも彼に投票したことはなかった。でも卓越したリーダーシップや、カリスマ性、決断力、実行力は、他の政治家の追随を許さないことは素直に認めたいと思うし、実際それだけの成果を上げてきたと思う。でも、今回のことで、そうした評価も帳消しにせざるを得ない。

将来、さらに東京都の負担が増えたとき、2008年3月に400億円の出資を決めた“元知事”はきっとこう言うに違いない。

「当時は最善の判断であった」と。

Posted by ろん