夢をかなえるゾウ/水野敬也
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夢をかなえるゾウ 水野 敬也 飛鳥新社 2007-08-11 |
この本は、近所の図書館にかなり以前に予約したものだったが、ベストセラーになり始めた頃に予約したせいか、結構早く手に入った。いまは予約件数92にものぼっている。
さて。
もともと僕は自己啓発本は好きな方で、以前はかなりの数を読んでいたと思う。それで人生が変わったか?ということもなく、相変わらずの悶々とした生き方をしている。この本は、自己啓発本の一種だが、その内容はかなり変わっている。
なぜか関西弁をしゃべる象の姿をした神様(ガネーシャ)が、しがない若いサラリーマンの前に突然現れる。
「お金持ちになりたい、ちやほやされたい、成功したい、有名になりたい、何か、こう、自分でしかできないような大きい仕事がしたい…」という主人公の思いから、ガネーシャによる教えを毎日ひとつずつ実践していく。
教えのひとつひとつは、とても単純。
- 靴をみがく
- コンビニでお釣りを募金する
- 食事を腹八分におさえる
- ・・・
…なんてことばかり。いずれも1日でできるようなものばかりだ。
「成功」という言葉は、本書のなかでたびたび出てくる。教えを実践していった先にあるものが、成功なのだとしたら「成功」って、いったい何だろうとと思った。
何をもって成功とするかは、人によって大きく違う。
たいていの場合、自分が何をしたいのかがわからない、具体的な“成功”を描けない人が多いのではないだろうか。そういう意味で「何か変えたいけど、どうしていいかわからない」という人にとって、本書は適しているかもしれない。
でも、最も大事なのは、その動機付けだと思う。その動機付けが強くて明快なものでない限り、いくら簡単な課題(教え)であっても、やはり続けることはできないだろう。そうした動機付けを見つける方法を、より深く教えてくれると良かった。
それにしても、著者の年齢を見てびっくり。僕よりかなり若い。まぁ年齢で内容を判断するのは良くないとは思うが、ずいぶん年下であっても、それまでの人生経験が豊富で、実際に成功したというのであればいいけど、そうでないとすれば、なんとなく物足りなさみたいなものを感じてしまうのは、やっぱり偏見なのだろうか?